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〈論調〉 海賊対策ではない

 「海賊対策」という名目で、日本がソマリア沖への軍事的な進出を始めた。

 ソマリア沖に対する海上自衛隊艦船の派遣について、日本はそれが海賊の略奪行為から「国民の生命と財産を保護」するためのものだとしている。しかし、日本の主張を額面どおりに受け取っている国はない。

 日本はかつて第2次世界大戦の挑発に加担し、軍事力の海外派遣を通じて侵略と略奪、殺人、放火などの戦争犯罪を行った忌まわしい過去を持つ国である。このような国が「海上の安全」のスローガンを掲げたからといって、それを見守る人びとの心が平穏でいられるわけがない。

 今回日本の艦船がソマリア沖に進出するのは、海賊対策それ自体に関心があるのではなく、海外侵略の足場を固めるためである。

 自衛隊の海外派遣が法律的に禁止されている状態で、どのような手段を使ってでも軍事力の海外派遣に必要な制度的かつ法律的な土台を築いていこうとするのが本心だといえる。

 日本が自衛隊艦船の派遣に先だって武器使用基準緩和について検討すべきだとしていることや、海賊対策に関連して自衛隊艦船の自由な派遣を可能にする新たな法案を採択することなどを見れば、日本が武力の海外派遣をさらに自由に行い、軍事行動の合法化を実現するためにやっきになっていることがわかる。

 すでに日本軍国主義の象徴である「日の丸」は中東地域とインド洋ではためいており、アフガニスタンとソマリア沖にも見られるようになった。世界のいたる場所に「日の丸」がはためくことが何を意味するのか、さらに説明する必要はないだろう。

 日本の海外膨脹は現実的な危険性を帯びてきた。軍国主義的な野心に満ちた日本が、世界の任意の場所に現れ再び海外侵略の刀を振り回さないという保証はどこにもない。(民主朝鮮25日付論評)

[朝鮮新報 2009.3.27]