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〈論調〉 人権に対する米の二重基準

 最近、米国のある新聞は、スペインが国連拷問禁止条約などの国際法に違反してグアンタナモ米軍基地の収監者に対する拷問を法的に認めた米国のブッシュ前政権の高官らに対する刑事訴訟に向けた調査に着手したと報じた。これにより、元司法長官のゴンザレスをはじめ6人の元高官がスペイン法廷に起訴されかねない事態が生じている。米国のあるマスコミがスペインの公式人物の話を匿名で伝えたところによると、スペイン最高検察所が容疑者らに対する逮捕状を発給する場合もありえるという。

 米国がこれに慌てふためいている。容疑者のうちの一人である元米国防総省政策担当次官のファイスは、スペインの調査問題と関連して途方もないことだの、米政府を脅迫しようとするもくろみだの何のと、怒りに任せて誹ぼう、中傷した。米国は、容疑者らが米国の地を出ない限り、彼らを逮捕できないであろうとして、この問題が拡大しないよう躍起になっている。

 自分が仕掛けた罠に自分が掛かるという言葉があるが、米国がまさにその境遇に陥った。今年1月に米国のある裁判所が元リベリア大統領の息子に拷問罪で約100年の刑罰を宣告した。米国は世界で初めて他国の人の拷問行為に対する法的判決を下した例をつくって、その判決が今後の拷問関連の起訴のための「手本」になるであろうと騒ぎ立てた。その「手本」を創造した米国がこんにちに至っては逆に、その被告席に立たされる哀れな境遇に陥ったのである。

 人権問題に対する米国の二重基準の適用はこれ以上通じなくなった。

 米国は、これまで自国が働いた甚大な人権犯罪を隠し、毎年、他国の「人権問題」を列挙し、内政干渉の手段にしてきた。これは、米国の悪習のなかでもっとも卑劣な悪習の一つである。(労働新聞18日付論評)

[朝鮮新報 2009.4.24]