人工衛星問題 日本政府の不当な対応非難 各地日朝団体 |
朝鮮の人工衛星「光明星2号」の打ち上げ(4月5日)に対する日本政府の不当な対応の是正を求める声が各地の朝・日友好団体、人士などから上がっている。各団体では共同アピールの発表や、中央官庁を訪問して要請文を直接手渡すなどの活動をはじめさまざまな取り組みを続けている。 制裁解除、対話再開を 愛知の各界人士が要請 「日朝教育、文化交流をすすめる愛知の会」(以下、「愛知の会」)の竹内宏一事務局長と総連愛知県本部の文光喜副委員長が1日、東京都千代田区の内閣府と外務省を訪ねた。愛知県を中心とした各界の日朝人士が日本政府の対朝鮮制裁措置の解除と在日朝鮮人に対する人権侵害の中止を求めて発表した共同アピールと、アピールの履行を求める要請書を麻生首相と中曽外務大臣に宛てて担当者に手渡した。 共同アピールは「愛知の会」の竹内事務局長が呼びかけたもので、安川寿之輔・名古屋大学名誉教授、原科浩・大同大学教授、作家の磯貝治良さんら各界人士49人が署名している。 同アピールは、人工衛星打ち上げを問題視する国連安保理の議長声明採択と、これを非難する朝鮮外務省の声明、6者会談の再開が困難になった状況など最近の朝鮮半島情勢に言及した。そして、「朝米会談」は水面下で進展が見られることが期待されるが、日朝関係だけは依然としてこう着状態にあると指摘し、日朝関係の現状に憂慮を示した。 また、日本国内で在日朝鮮人の生活と人権を著しく圧迫する不当な抑圧が続けられている事実について指摘し、「日本における人権と民主主義の否定であり許してはならないこと」だと厳しく批判した。 そのうえで日本政府に対し、朝鮮に対する経済制裁措置を即時解除し、「万景峰92」号の入港をはじめとする両国間の人的往来や物資流通を再開することと、平壌宣言の精神にのっとって国交正常化交渉を早期に再開し、在日朝鮮人に対する人権侵害を中止することを求めた。 「愛知の会」の竹内事務局長は担当者との面会の場で、日本政府が今回、対朝鮮独自制裁の1年延長に踏み切るなど、以前にも増して両国間の対立を激化させる方向に進んでいると指摘し、政府の政策を強く非難した。 また、日本側が対朝鮮政策の基本的な姿勢を転換するべきだとし、政府が問題を対話で解決する立場を明確にし、制裁措置の即時解除に向けて取り組むよう要請した。 「過剰反応自制すべき」 長野県民会議が抗議 朝鮮の自主的平和統一を支持する長野県民会議は、人工衛星打ち上げ問題に対する日本政府の過剰対応に抗議する取り組みを展開した。 長野県民会議は3月末から4月初めにかけて、同会議に加盟する諸団体、個人に呼びかけて、総理官邸、外務省、防衛省などに朝鮮の人工衛星打ち上げに対する日本政府の過剰対応に抗議する申入書を届ける活動を積極的に行った。 同会議は申入書を通じて、朝鮮の人工衛星打ち上げをミサイル発射と決めつけ日本国内で「北朝鮮の脅威」をあおり、日朝両国間の対立と不信を激化させようとする日本政府の対応を非難した。そのうえで、政府に対して▼国内で不安と不信をあおるような言動を自制し▼対朝鮮追加制裁と制裁措置の延長を中止し▼対話のテーブルにつく努力を行うことを求めた。 また、4月13日には同会議の第1回運営委員会を招集し、今後もこれらの取り組みを続けていく方針を確認した。 [朝鮮新報 2009.5.13] |