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6.15共同宣言発表9周年 民族が固く団結し統一運動強化を

汎民族的な連帯をアピール

 6.15共同宣言発表9周年を迎えて、平壌、ソウル、東京など北、南、海外の各地で記念行事が行われた。宣言発表9周年に際した動きを地域別にまとめた。

平壌で記念報告会 平和対戦争の構図鮮明に

 【平壌発=呉陽希記者】「北南共同宣言を離れては、いかなる対話も接触もありえず、北南関係改善についても期待することはできない」

 15日、平壌市内で行われた中央報告会で、最高人民会議常任委員会の楊亨燮副委員長はこのように指摘した。

15日、平壌で行われた6.15共同宣言発表9周年記念報告会(文光善記者撮影)

 6.15の記念行事はこれまで平壌、金剛山、ソウル、光州など朝鮮半島の多くの地域で北、南、海外3者の共同行事として盛大に行われてきた。2005年には北と南双方の当局者も参加する行事が平壌で催された。

 しかし李明博政権発足後、北南関係は「最悪の対決状態」(楊副委員長の報告)へと突き進んでいる。李政権は執権初期から「失われた10年」をうんぬんしながら、前政権時代にもたらされた北南合意を否定し、外部勢力との共助と民族対決を追求した。

 このような状況の中で、3月、6.15共同宣言実践民族共同委員会の北、南、海外委員長会議が平壌で行われた。会議では今年の6.15行事についても議論されたが、「現段階で3者が集まり共同行事を催すのは現実的に難しい」(郭東儀・海外側委員会共同委員長)という判断に至った。

 報告会で楊副委員長は、「北南共同宣言履行の前途には重大な障害が横たわっており、朝鮮半島情勢は予測不可能な危機に直面している」との認識を示した。

 米国とその追従勢力は朝鮮の人工衛星打ち上げと第2次核実験に言い掛かりをつけて国連制裁を強行した。南朝鮮も大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)に全面参加することによって北南間の軍事的緊張を激化させて、情勢を一触即発の状態に追いやっている。

 報告は、北と南、海外のすべての同胞は情勢が複雑で環境が厳しい時ほど、宣言履行のためのたたかいに拍車をかけていくべきだと強調した。また、6.15時代にもたらされた階層別、部門別、団体別の連帯を強固なものにしていくことを強調した。

 さらには「統一問題をめぐって繰り広げられている対決は、6.15勢力と反6.15勢力間の対決、平和路線と戦争路線の間の対決であり、愛国と売国の間の対決」だとしながら、南朝鮮当局は執権危機からの活路を民族対決と戦争に求めようとする愚かな企てをやめるべきだと主張した。

大使館員らの映画鑑賞会も

 一方、駐朝大使館員らを対象にした映画鑑賞会が15日、大同江外交団会館で開かれた。参加者らは2000年の北南首脳対面の様子を収録した記録映画を鑑賞した。

南朝鮮各地で記念行事 「民族共助路線に戻るべき」

全州市で5日、全国農民連盟の全羅北道連合が催した「道民とともに行う統一米の田植え」行事 [写真=聯合ニュース]

 南朝鮮メディアの報道によると、6.15共同宣言発表9周年に際して、ソウルで行われた「汎国民実践大会」以外にも、6.15南側委員会傘下の各地方本部、支部が主催する行事が15日、各地で開かれた。

 光州、全羅南道本部と同地域の市民・社会団体は光州で記念行事を行った。行事で発表された宣言文は、「政府は現在の対北政策を、南北共同宣言に基づく和解と協力の政策に転換すべきだ」と指摘した。行事では6.15宣言発表から9年間の歩みを振り返る映像も上映された。

 慶尚南道本部は道庁で声明を発表。大邱、慶尚北道本部は大邱市庁前で、仁川本部は仁川市庁前でそれぞれ記者会見を開き、当局の対北政策転換と6.15、10.4両宣言の履行を求めた。

 忠清北道本部は清州市で記念式典と講演会を、釜山本部は記念大会を、昌原市支部はキャンドル文化祭を催した。

 同日、忠清北道基督教教会協議会は清州市で会合を開き、当局に平和定着、北南対話、民間交流と協力活動に取り組むよう求めた。

 また、全国農民連合の全羅北道連盟は全州市で「道民とともに行う統一米の田植え」行事を催した。

時局宣言発表続く

 各界人士による時局宣言発表の動きが続いている。

 統一運動の元老ら273人は15日、盧武鉉前大統領の死去と竜山惨事に対する謝罪、共同宣言履行を通じた南北関係の改善などを大統領に求める時局宣言を発表した。

 宣言文は、「核の傘で米国との同盟を強化しようとするのは南北の共倒れを招く行為である。戦争と国土の永久分断をもたらす外部勢力との共助を中断し、平和統一に向けて民族共助の道に戻るべきだ」と強調した。

 宗教界でも時局宣言発表の動きが広がっている。15日には、李明博大統領に盧前大統領に対する政治捜査への謝罪と、集会、言論の自由など基本的人権の保障、対北強硬路線の撤回などを求める「大韓仏教、曹渓宗僧侶1477人時局宣言」が発表された。また同日、カトリック正義具現司祭団1178人も時局宣言を発表、李明博政権の退陣を求めた。

 16日には、医師、看護師など保健・医療関係者2289人が民主主義の守護と、医療費暴騰を招いた医療民営化政策の中断を求める時局宣言を発表した。

日本、中国、米国で 「海外同胞の統一熱意示そう」

13日、都内で行われた6.15日本地域委員会の第3回総会

 海外同胞団体による記念行事が日本、中国、米国などで行われた。

 日本では、6.15共同宣言実践日本地域委員会の第3回総会および記念集会が13日、東京都豊島区のコア池袋で行われた。

 総会で発言した同委員会の郭東儀議長は、「6.15共同宣言9周年を迎えたこんにち、北南関係は最悪の危機にひんしている。自ら命を絶った盧武鉉前大統領、姜希南牧師の心情はいかほどだったろうか」と現在の情勢に憂慮を示した。一方で、「南の地では民主主義回復のための民衆闘争が燃え上がっている」と述べ、今こそ在日同胞も統一運動に果敢に立ち上がるべきだと訴えた。続いて発言した各団体の代表らも、共同宣言履行運動に積極的に取り組む決意を表明した。

 総会では、在日同胞の統一への熱意を内外に誇示するために、「6.15共同宣言と10.4宣言履行のための運動期間」にさまざまな大衆運動を繰り広げる問題が討議され、同委員会の活動内容に関して合意に至った。運動期間の活動については、▼北南共同宣言の支持ムードを高める宣伝活動を展開し、▼6.15共同宣言9周年、10.4宣言2周年記念行事をはじめとする統一行事を数多く催し、▼「統一旗連署運動」を展開し、▼日本地域委員会の強化と海外側委員会の団結を促進するなど4つの事業を提示した。

 とくに、各個人の名前と統一への願いを書き込んだ615本の統一旗を作り、在日同胞の統一への意志を内外に示す「統一旗連署運動」を今年の活動の中心にすえた。連署運動は各階層の在日同胞のみならずニューカマーや日本の連帯勢力も参加する幅広い活動として展開していくという。また、他の海外同胞団体にも運動を呼びかける。

 さらに10.4宣言2周年に際して行われる「海外同胞統一大会」(仮称)の場で統一旗を集めた後、これを北側の最高人民会議と南側の国会に提出することも計画している。

 一方、中国・瀋陽では13日、在中朝鮮人総連合会の報告会が行われた。楊永東議長をはじめとする活動家と傘下団体の代表、地域同胞、瀋陽駐在の朝鮮総領事が出席した。

 報告を行ったチャ・サンボ副議長は、すべての在中同胞が統一運動を粘り強く行って、朝鮮半島から戦争の危険を除去し、米国の対朝鮮戦争策動を打ち砕く反戦平和闘争を展開していくと述べた。

 在米同胞メディア「民族通信」によるとワシントン、シカゴ、ロサンゼルスなど米国各地でも記念行事が行われた。

 14日、ロサンゼルスでは「南部カリフォルニア州同胞大会」が開かれた。大会で演説したホン・ソンヒョン牧師は、「朝鮮半島の平和定着の可能性を切り開き、統一への希望を示した」と6.15共同宣言の意義を評価した。(李相英記者)

6.15北、南、海外委共同アピール(要旨) 宣言履行に向け心をひとつに

[朝鮮新報 2009.6.19]