top_rogo.gif (16396 bytes)

〈論調〉 同盟拡大狙った危険な軍事謀略

 最近、東京で日米両国の外務・防衛関係者の実務協議が行われた。「日米安全保障条約」改定50年に当たる2010年を目標に日米同盟の拡大などを内容とした新たな「日米安保共同宣言」を採択する目的の下に行われた実務協議は、両戦争勢力間の危険な軍事的謀議であった。

 今回の協議では、米国が「日本を守る核拡大抑止力」の提供を含み軍事分野で緊密に協力していく問題が集中論議された。また、朝鮮のありもしない「脅威」に対処して日米が緊密に連帯して「防衛協力」を推進し、在日米軍再編を引き続き進めていくことにした。

 今回の協議の基本趣旨は、「日米同盟」拡大の枠組みを設けようというものであった。

 日本が日米同盟の拡大のため米国から「核拡大抑止力」の提供を引き出し、それに伴う日米間の軍事行動を一体化しようとするのは重大な問題をはらんでいる。

 日本は、米国が「日本を守る『核拡大抑止力』」の提供案を支持し、それに連帯していくことにしたことで、日本の領土を米国の核兵器庫、核攻撃基地に変えるのを容認したことになる。これは事実上、日本が新たな「日米安保共同宣言」の採択を通じて核禁止措置を崩し、核武装化と海外侵略の広い道を開いたことになる。

 新たな「日米安保共同宣言」の採択のための日米間の軍事的協力が強化され、それが実践に移される場合、アジアでは新たな軍拡競争が助長、激化され、ひいては核戦争を含む破局的な事態が招かれかねない。

 とりわけ見過ごせないのは、日本が新たな「日米安保共同宣言」の採択をわれわれの「軍事的脅威」を口実に推進することである。(労働新聞7月29日付論評)

[朝鮮新報 2009.8.5]