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東京で日朝国交正常化連絡会全国総会 「2010年までに日朝基本条約締結を」

東京で行われた日朝国交正常化連絡会全国総会および記念講演会

 日朝国交正常化連絡会の全国総会と記念講演会が7月24日、東京都千代田区の日本教育会館で行われ、日本が朝鮮を植民地化した年から100年目にあたる来年、2010年に向けた取り組みについて討議した。参加者らは、来年末の日朝基本条約の締結などを求めて活動していくことを決議した。

 この日の行事は、連絡会結成からちょうど1年になる日に行われた。連絡会は昨年7月24日、日朝国交正常化の早期実現を求め、これに向けた運動を全国で展開、強化していくために日本各地の平和運動家らによって結成された。その後、平壌宣言発表6周年に際する集会を開催し、対朝鮮制裁の解除などを求める一方、商工会に対する警察当局の強制捜索に反対するなど、在日朝鮮人問題にも向き合ってきた。

 総会は、各地の日朝友好組織代表ら約60人の参加のもとに行われた。

 石坂浩一共同代表兼事務局長(立教大学准教授)が結成から1年間の活動を報告し、今後の運動の提起案を発表した。

 提起案はまず、日本の歴史的責任の清算を推進するために2010年末までに日朝基本条約を締結するよう日本政府に働きかけていくと指摘。また、拉致問題を含めた諸懸案を国交正常化の中で解決することを提起しながら、在朝被爆者支援や在日朝鮮人の基本的人権確立、民族教育の権利認定などについても日本政府にその実行を促すと指摘した。

 さらに、東北アジアに非核・平和の確立を求めていく連絡会の姿勢を示し、日本政府に対し、平壌宣言の精神に立ち返って東北アジアの平和のために役割を果たすよう要求した。

 また、具体的な取り組みとして、@日朝基本条約案の作成、A日朝基本条約締結を求める署名活動、B国交正常化実現のための集会開催、C政府や国会への働きかけD日本政府の対朝鮮制裁が在日朝鮮人に対してどのような意味を持ったのかを日本社会に問う白書の作成、E連絡会組織の強化などを示した。特にDでは、在日朝鮮人の人権擁護のため引き続き努力することが強調された。

 続いて、和田春樹顧問(東京大学名誉教授)が「日朝基本条約案」を提案した。条約案は、1965年の「日韓基本条約」を土台に、日本側の過去の反省に言及するなど2002年の平壌宣言に沿った内容を加えている。この条約案を作成する目的について和田氏は、条約締結という具体的な目標を掲げて運動を繰り広げることによって現実を変えていくと説明した。

 総会では、これら運動提起案、条約案に関する質疑および各地の運動報告が行われた。また、連絡会の役員が選出された。

記念講演、アピール採択

 総会後、記念講演会が行われた。総会参加者をはじめとする日本市民と在日同胞などの関係者150人が参加した。

 主催者を代表してあいさつをした清水澄子共同代表(朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会代表・平和フォーラム副代表)は、日本政府の政策転換を促す世論形成の必要性に言及し、歴史を動かすのはわれわれだという自覚をもって運動に取り組むことを呼びかけた。

 石坂浩一共同代表の連絡会活動と総会の報告、和田春樹顧問の日朝基本条約案についての説明の後、李鍾元立教大学教授が「朝鮮半島情勢とオバマ外交」と題して講演した。

 李鍾元教授は、朝米関係の現況とその背景、朝米双方の政策とその特徴について分析、説明し、秋頃の局面転換の可能性などについて言及した。

 最後に集会アピールが満場の拍手で採択された。アピールは、「2010年末までに日朝基本条約の締結をめざして日本社会に働きかけ、日本政府を動かしていくため尽力していくことを全国の仲間たちとともに決議する」と指摘している。

[朝鮮新報 2009.8.5]