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〈論調〉 「未来開拓戦略」の欺まん

 日本の麻生首相は最近、社会保障と税金および財政、地方自治方式を中心に政権の「将来の国家像」を示すことに目的を置いた「安心社会実現会議」を開く一方、ある講演では現経済危機を「チャンス」に変えることができた国が将来大きな「繁栄」をつかめるとし、日本が志向すべき「未来開拓戦略」なるものを提示した。

 彼は、さまざまな分野に集中的に投資して大胆に制度改革を行えば、2020年までに「400万人を雇用することができる」と豪語した。果ては、国境を越えて「アジア全体で成長」するという視点に立つことが大事であるとして、アジア地域全体の内部需要拡大を図ることで「地域経済規模を2020年までに2倍にすべきだ」と言った。

 しかし、彼には実際にそれを実現するいかなる設計や方策もない。そのうえ、彼には組織的手腕と指導能力が欠如している。

 こんにち、日本経済は史上最悪の危機に直面している。企業が軒並み倒産して失業者が増えており、物価が跳ね上がっている。これに伴い失業者数も増大している。

 麻生内閣の反動的な政策は、日本の経済と国民生活を破たんに追い込み、政局を混乱に陥れた。民心を失った自民党政権は今月末に行われる総選挙を前に行われた世論調査で野党の後じんを拝している。

 にもかかわらず、麻生が「未来開拓戦略」について騒ぎ立てるのは、そうした人気取り戦術で形勢を逆転させ、総選挙で是が非でも多くの支持票をかき集めてライバルを抑えるためである。彼の空談は偽善的な民心獲得手法であり、自身の反人民的正体を隠ぺいするためのマジックにすぎない。(労働新聞18日付記事)

[朝鮮新報 2009.8.26]