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統一部 6.15接触を「不許可」 李明博政権に非難の声

「既存の政策変わらず」

 9月4〜5日に中国・瀋陽で開催が予定されていた6.15共同宣言実践北側委員会と南側委員会の実務接触が中止となった。李明博政権が、南側参加者の一部に対し「北側住民接触申告」受理を拒否したことが理由。断絶状態にあった北南関係に対話ムードが戻ってきたにもかかわらず、既存の立場を固持する李政権に非難の声があがっている。

瀋陽接触中止に

4日、統一部庁舎前で抗議活動を行う6.15南側委員会のメンバーら [写真=統一ニュース]

 「北側住民接触申告」とは、南側の住民が北側の住民と通信・会合、その他の方法で接触しようとする場合、事前に統一部に提出することが義務付けられた手続きの一種で、同部の判断によって受理あるいは拒否される。

 今回の実務接触には6.15南側委員会共同代表をはじめ、学術、青年学生、農民など各部門団体の関係者14人が参加する予定だった。

 しかし統一部は3日、同委員会の申告に対して「5人の受理を拒否」したと通達。「南北関係の現状況と国家安全保障、秩序維持または公共福利を害する憂慮がある」場合に申告を拒否できる「南北交流協力法」9条2項を適用した。

 統一部は7月23日、学術本部、農民本部、青年学生本部が中国・瀋陽で北側と実務接触を行うために提出した申告の受理を拒否。3月、平壌で行われた6.15民族共同委員会共同委員長会議の際にも、訪北申請をした7人中2人の申請受理を拒否した。

 6.15南側委員会は3日、通達を受け緊急対策会議を開き、部門別団体と特定人物を除いた状態で実務接触を行わないと決定した。

「非常に憤慨」

 6.15共同宣言と10.4宣言に否定的な立場を示す李明博政権発足以降、北南関係は悪化の一路をたどった。しかし最近、金正日総書記が平壌を訪れた現代グループの玄貞恩会長一行と会見(8月16日)したことや、北側特使弔問団のソウル訪問(8月21〜23日)、北南赤十字会談(8月26〜28日)などをきっかけに関係改善に期待が高まっている。にもかかわらず、統一部の今回の対応は李政権に北南関係改善への意思があるのかどうか疑問を抱かせている。

 6.15南側委員会の金祥根常任代表は3日、「李政権は南北問題をどうしようとしているのか。非常に憤慨しており、相当な疑問を抱いている」と述べた。

 青年学生本部のキム・ホ執行委員長は、「政府が現在行っていることは、南北関係を改善させる意志がないようにしかみえない。南側委員会メンバーの訪北を選別不許可とすることは、6.15組織そのものを問題視しているとうけとれる。6.15共同宣言や10.4宣言を無視する既存の政策は変わっていないようだ」と非難した。

 6.15南側委員会は4日、今回の措置の撤回を求め統一部庁舎前で記者会見を開いた。

 同委員会は、今回の「選別不許可措置」には「基準と原則」がなく「社会文化交流を事実上封鎖」するものだと指摘し、李政権に措置の撤回を求めた。

 また、当局に対して、民間交流制限など、南北関係に対する消極的な態度を改め、社会文化交流に対する積極的な支援を含め関係改善に前向きに臨むことを求めた。(呉陽希記者)

[朝鮮新報 2009.9.11]