「ウリハッキョに送りたい」一心で |
和歌山初中教育会理事 金哲浩さん 和歌山朝鮮初中級学校教育会理事として昨年、同校創立50周年事業で実行委員会副会長を務めた。同胞たちの心の拠り所であり自身の母校でもある同校の運営と、民族教育への関心を呼び起こそうと奔走した。 2007年7月に発足した実行委員会は、学校を拠点に花見、チャリティーゴルフ、同胞バレーボール大会、運動会などさまざまな企画と活動を展開。卒業生や同胞、日本市民の注目を集めた。 飲食店を営む傍ら、疲労や眠気と格闘しながら早朝から深夜まで車を運転し、県内広範囲に点在して暮らす同胞たちを訪ねた。 「一軒一軒、2度、3度と足を運び、学校を支えようと呼びかけた。朝青世代や学生、学父母、1世に至るまで、多くの同胞が惜しまず協力してくれた」 同胞たちは「先代の意志を継ごうと活動する若い世代は立派だ。熱意に動かされた」と称賛。亡くなった父の知り合いには総連を離れた人、民団の人もいたが、和歌山同胞持ち前の義理人情で快く協力してくれた。 「記念事業を通じて同胞たちの温かさ、偉大さを再認識した。そして若い世代一人ひとりの才能や可能性を発見できた。先輩後輩はじめいろんな人に出会い、学び、感動し、良い経験になった」 初、中級部時代は同校寄宿舎で過ごした。今は5人の子どもたちを同校に送る。通学時間は片道約2時間。同じルートを往復してみると、子どもにとってあまりの苛酷さに涙がこぼれた。それでも「ウリハッキョに送りたい」−夫婦一致した願いだった。 父の飲食店を継ぐとともに、学校への熱意、同胞への愛情も受け継いだ。 「逆立ちしても勝てないが、1世の思いに少しでも報いるため、ウリハッキョを守り次の世代に渡したい。力を合わせ一歩一歩がんばっていきたい」(泰) [朝鮮新報 2009.1.5] |