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「キムチハンメ」に恩返しを

「こころとマウム エピソード大賞」受賞 高須圭子さん

 昨年、在日本朝鮮人人権協会が企画した「こころとマウム エピソード大賞」で見事、大賞に輝いた。

 「キムチハンメの話」−ごはんのおかずが塩という豊かではない家庭で育った高須さん。公立高校の受験に失敗した彼女の私立高校入学費用を、近所で朝鮮惣菜屋を営む「キムチハンメ」がこっそりまかなってくれた−。

 その話を母から聞かされたのは、高校卒業間近だった。また同時期、大学の費用を祖父が用意してくれていたという。「高校にしても大学にしても、圭子が勉強をする意味があるからハンメもおじいちゃんも援助してくれたんだよ」という母の言葉にハッとさせられた。正直、高校では持ち物一つにしても、周りとの違いに淋しい思いもしたが、「与えられた場を大切に、もっとしっかり勉強をしよう!」と心に誓い、勉学に励んできた。

 同企画への応募のきっかけは、朝大生との交流からだという。現在、早稲田大学第二文学部で学ぶ高須さんは、日頃から「早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター」が主催する「日本コリア未来プロジェクト」で活動している。

 また、母が釜山出身であることもあり、大学では朝鮮語の授業も取っている。昨年は南朝鮮の延世大学に交換留学をした。

 今は歴史・民俗系を専修。「在日」の歴史について、ただ客観的に見るのではなく、「自分自身の問題として」関心を深め、学ぶようになった。

 差別や蔑視…「在日」の歴史を学ぶ中で知った、想像以上であっただろうハンメの苦労。そんな苦労を微塵も感じさせないくらい明るくパワフルなハンメ。

 今春、大学を卒業する。ハンメにめいっぱい恩返しするためにも、「今まで学んできたことを活かした仕事をしていきたい」と抱負を語る。(裕)

[朝鮮新報 2009.1.5]