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詩 クァンホ

 いま、東京朝鮮中高級学校高級部で昨年4月に入学したダウン症の白b浩くんが学んでいる。この白くんを担任したのが、1年1組の朴龍浩先生。初めはダウン症について何も知らない、手探りの状態。そうした中で、朴先生は白くんが元気に楽しく学校生活を送れるようあらゆる手を尽くし、この4月の進級を前に白くんに詩を書いて贈った。感動に満ちたその詩を、読者のみなさんに紹介したいと思う。(高乙龍、東京中高・高級部1学年主任)

入学式の5分前に出会ったクァンホ
簡単な挨拶だけで式をこなしたクァンホ
その後も滞りなく終えた本番に強いクァンホ
クァンホとの出会いはこうして始まった。

野球が好きなクァンホ
ジャイアンツヘの入団を夢見るクァンホ
「ウリキョシル」でも巨人阪神戦をするクァンホ
でもコナンとポケモンの誘惑には弱いクァンホ

歌が大好きなクァンホ
グリーンのキセキが好きなクァンホ
朝大軽音楽団「ハナ」で盛り上がるクァンホ
たまに音程を外す陽気なクァンホ

漢検9級に合格したクァンホ
AからZまで言えるクァンホ
ウリマルはとても上手なクァンホ
「3800%!」と報告して笑いを誘うクァンホ

一人では遠足に行けないクァンホ
クラス対抗ゲームでがんばったクァンホ
負けて悔しさを爆発させたクァンホ
フォークダンスですっかり機嫌を直したクァンホ

「なかよし遠足」を仕切るクァンホ
クラスにお土産を買ってくる友達思いのクァンホ
Tuttiのリーダーであるクァンホ
傷ついた右手でケンガリを叩くクァンホ

教室以外でも勉強するクァンホ
卓球とイコールゲームが好きなクァンホ
おりがみを面倒くさがるクァンホ
最近はタイピングに挑戦するクァンホ

気取らずにそっと寄り添う自然体のクァンホ
正しいことは正しいと主張するクァンホ
間違っていても貫き通すクァンホ
引き際を見つけてにやけるクァンホ

ときどきクラスに迷惑かけるクァンホ
いつもみんなに元気と笑いをくれるクァンホ
マイノリティの中でもマイノリティなクァンホ
でも自信たっぷり怖いものなしのクァンホ

卒業を見据え新しい一歩を踏み出すクァンホ
挑戦し続ける姿を見せてくれるクァンホ
臆病がらず表現を楽しむクァンホ
プライドを持て、へこたれるなと背中を押すクァンホ

クァンホに教えているようで
実は私が学んでいた
やっと気づくことができたのは
別れをひと月前にした
冬の昼の出来事だった

朴龍浩

[朝鮮新報 2009.2.20]