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〈徐千夏先生の保健だより-2月-〉 左利きの子−矯正は無理しないで気長に

 幼稚園の頃はそれほど気にしていなくても、小学生にあがると同時に、子どもの左利きのことに焦りを感じてくる保護者の方はいらっしゃいませんか?

 実は私も左利きなのですが、文字を書く時とハサミを握る時だけは右です。

 幼少の頃、母親に「文字を書く時だけは右になおしなさい」と、厳しく叱られながらなおした覚えがあります。また、ハサミはどうしても右利き用が多いため右で持つほかなかったのでしょう。教室を見渡しても必ずといっていいほど左利きの子どもは存在します。

 それを「なおした方がいいのか?」「そのままにしておくのか?」指導をしながら悩んだものでした。さて、今日は左利きについて考えてみましょう。

左利きという状態

 ● 食事や文字を書くとき、ボール運動など、すべて左利き
 ● 食事や運動のときは左利きで、文字を書くときは右利き
 ● 左、右どちらでも使える。
 一概に左利きといってもさまざまです。この状態をどう思っているかが問題です。

左利きをどう思っているのか

−できれば右利きになおしたい

 学校や家庭ではほとんどが右利きで、道具などは右手で使うようになっているから

−文字だけは右手で書くようにしたい

 文字の書き順は右手書きのようにできているから

−左利きでもかまわない

 世の中には左利きの人も多く不便はしていないし、野球の選手などには左利きが多いから

 左利き、右利きは4〜5歳になると、はっきりしてくるといわれます。

 それは人間の運動能力のなかでも、ごく細かな運動機能の回路は、片方の脳にだけつくられているためといわれるからです。

 この時期に、無理に左利きをなおそうとすると子どもに精神的負担がかかり、ストレスをためることになり、逆効果になることを知っておく必要があります。

ポ イ ン ト

−左利きへの対応(これはあくまでも、保護者や本人がなおしたいと思っている場合に限ります)

・絵をかいてみる

 画用紙に右手で自由に絵をかいてみてください。「下手でもよいから、のびのびとね」

・自分の名前を書く

 右手で自分の名前をゆっくり書いてみましょう。「この字はうまく書けたね」

・右手ではしの持ち方、使い方を覚える

 「右手ではしを使えるようにおしえるね」覚えたら、大豆などをはさんでみようね

 今は以前に比べて左利き用のものがたくさん出回っています。だから、以前より生活していく上で不便なことはかなり減ってきています。

 大切なことは、子どもに興味とやる気を起こさせることによって、左右両脳の活性化を図り、本来の能力を伸ばしてやることです。

[朝鮮新報 2009.2.25]