あの頃はまだ 知りませんでした −金素月− |
季節を問わず 夜ごとに出る月さえ これほどに 身に染み入る恋しさも 月がどんなに明るくても 見上げる事を 今まで あの月が悲しみであるとは (1923年5月) キム・ソウォル(1902〜34年) 民族の悲しみと郷土的情緒にあふれた作品を数多く残した抒情詩人。平安北道亀城郡に生まれる。本名は金廷G。南山学校、五山学校を経て培材高等普通学校を卒業後に日本に渡り、関東大震災に遭い帰郷。「靈臺」の同人となり詩作を続けるが、亡国の鬱憤、貧困の中悲嘆に暮れ、33歳の若さで命を絶つ。他界後に「つつじの花」「素月詩集」などの題名で多くの詩集が刊行された。 (選訳・金栞花) [朝鮮新報 2009.3.2] |