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愛する理由 −韓龍雲−

 私があなたを愛するのは
 理由がないわけではありません
 他人はただ 私の紅顔を愛しますが
 あなたは 私の白髪をも
 愛してくれるからなのです

 私があなたを恋しむのは
 理由がないわけではありません
 他人はただ 私の微笑みを愛しますが
 あなたは 私の涙をも
 愛してくれるからなのです

 私があなたを待ち続けるのは
 理由がないわけではありません
 他人はただ 私の健康を愛しますが
 あなたは 私の死をも
 愛してくれるからなのです

1926年

 (「韓國現代詩文学大系2韓龍雲」81、 知識産業社)

 ハン・リョンウン(1879−1944)

 独立運動家・僧侶・植民地時代を代表する詩人。彼の詩は、若者には恋愛の詩として、宗教人には救援の言葉として、そして国を奪われた民には民族解放の念願を伝える暗号として、多様な解釈の可能性を含んでいる。

(選訳・金栞花)

[朝鮮新報 2009.3.23]