ルーブル美術館展 教師と子どもの日常描く |
東京・六本木の国立新美術館で「ルーブル美術館展−美の宮殿の子どもたち」を観た。子どもは、時代や地域、文化の違いを超えて、芸術家たちに豊かな着想を与え続けてきた重要なテーマだ。作品は「子どもの日常生活」「子どもの肖像と家族の生活」「古代の宗教と神話のなかの子ども」など7つの章に分けて展示されていた。 とりわけ記者の関心を引いたのは、アドリアーン・ファン・オスターデ作の「学校の先生」(1662年、油彩)。きらびやかな肖像画が多数並ぶ中、施設のつつましさにも関わらず、たくさんの子どもたちが学ぶ小学校の日常を切り取った作品に目を引かれた。 画面中央には宿題を忘れたのか、先生に叱られて涙をぬぐう男の子の姿、右側には彼を叱っている教師が描かれている。朝鮮の画家、金弘道が「書堂」を描いたのはこれから約100年後のことだが、こちらも先生に叱られてベソをかいている子どもと、それを見て笑う周りの子どもたち、さらに苦笑している先生の姿が生き生きと描かれている。 子どもは未来の担い手である。だからこそ大人は子どもの教育に熱を注ぐ。彼らが生きる力を身につけ、より良い社会を築いていけるようにとの願いを込めて。 本紙、教育欄で連載中の「教室で」の取材を通して、たくさんの教師と生徒たちに出会ってきた。厳しい先生、優しい先生、おもしろくて生徒たちに人気のある先生…。スタイルこそさまざまだが、どの先生も皆、教育熱心なことだけは共通である。 新学期がスタートした。今年もたくさんの「教室」を訪れたい。(潤) [朝鮮新報 2009.4.3] |