青い空に白線を描きながら 飛行機が飛んでゆく 坑道に入る鉱夫たちは みな立ち止まり 空を見上げた
なんて広い 私たちの空 なんて澄み渡った 祖国の空 どの家の息子だろう あの空の飛行士は
きらり! 陽射しの中で体を反らし あんなにも高い場所から エールを送っているのだろうか 飛行機は空の彼方に消えてゆき 2本の眩しい白線だけ くっきりと残ったまま
地下深く降りてゆく鉱夫たち 胸に抱きしめて降りてゆく 真っ白な線を… 空から送られた、あのエールを
あぁ、祖国とは どこから どこまでなのだろう!
1967年1月
(キム・チョル詩集「オモニ」89文芸出版社)
キム・チョル(1933〜2008)
詩人。咸鏡南道生まれ。解放前より朴八陽のもとで習作。「オモニ」「お許し下さい」など数多くの作品を残した。
(選訳・金栞花)
[朝鮮新報 2009.5.26]