窓を叩く風の音に ふと目を覚ますと 一歳を迎えたばかりの息子が 布団を蹴とばし あお向けになって寝ている こりゃ風邪ひくぞ、 あわてて 息子の頭をさすり 布団を掛けてあげるその時 息子と一緒に 私にも掛けられる 「アボジ」という 自覚の布団
金正守詩集「夢のような願い」
(96年、文学芸術綜合出版社)
キム・ジョンス
詩人。1954年生まれの在日二世。朝鮮大学校文学部(当時)卒業後、89年まで神奈川朝鮮中高級学校で教鞭をとる。在日本朝鮮文学芸術家同盟委員長。作詞を手掛けた「出発の朝」「バスに乗って電車に乗って」は多くの同胞に愛唱されている。
(選訳・金栞花)
[朝鮮新報 2009.6.29]