緑の山並み美しき 古都・京都の大学で開かれた 朝鮮文学学会 私は静かに演壇に向かう すると、 暖かい拍手 暖かい眼差し
言いがかりからつけようとした これまでとは違い 喜び迎える顔 柔らかな声
笑顔の内に質疑応答も終え コーヒータイム、小休憩のひととき 「私らはすっかり顔馴染みですな…」 ソウル老学者の微笑みが近づいてくる 若い研究者たちの手も駆け寄り 女性学者の洒落た名刺が にっこり微笑んで自己紹介する
古都の爽やかな山風と共に 互いを行き交うひとつの言葉 「この次は客地ではなく ソウルかピョンヤンで会いましょう」
「チョンソリ詩人集」 (2004年・チョンソリ詩人会)
キム・ハンリョル
数多くの論文、評論、翻訳、詩を著した文学者。1935年京都府生まれ。朝鮮大学校文学部(当時)卒業。同大学文学部長(教授)、在日本朝鮮文学芸術家同盟副委員長などを歴任。朝鮮・文学博士。早稲田大学をはじめ日本の大学でも文学講義を受け持った。(選訳・金栞花)
[朝鮮新報 2009.7.13]