金剛山歌劇団「アルム」東京公演 日朝友好促進東京議連と共同主催 |
「伝統とモダンを巧みに融合」
金剛山歌劇団東京公演(主催=同公演実行委員会、日朝友好促進東京議員連絡会)が7月22日、大田区民ホール・アプリコで催された。総連東京都本部の朴昌吉委員長、同公演共同実行委員長の康宗訓・東京都商工会副理事長と江口済三郎・議員連絡会代表世話人、デヴィ・スカルノ夫人、23区議会議員ら30余人を含む、同胞と日本市民ら1100余人が公演を観覧した。 器楽演奏「アルム」で幕を上げた1部では、男声独唱(李康樹)と女声コーラス「わが故郷」や女声重唱「春の歌」、独舞「太鼓の舞」(朴順任)、民族管楽器重奏「プルム打令」、民謡メドレー「トラジ」(女声独唱、宋明花)、「フェヤンニルリリ」(混声重唱)、チャンセナプ2重奏と男声重唱「海の歌」が披露された。つづく2部では、朝鮮の3大古典名作である「沈清伝」「興夫伝」「春香伝」を組み合わせた舞踊「孝、義、愛」が舞台を飾った。 公演後、観覧者たちは惜しみない拍手を送った。
米国の大学で音楽を専攻したマリアンネ・和田さん(国際ICボランティア)は、初めて歌劇団の公演を観た感想を次のように語った。「オーケストラとコーラスは、高い水準で驚きを隠せなかった。オーケストラがほとんど民族楽器で構成されていたのは、とても興味深く、演奏者の技術も高かった。とくに、『海の歌』のチャンセナプ奏者2人と8人の男声コーラスの絶妙なやり取りは、とても気持ちが良かった。また、『太鼓の舞』は、何度も鳥肌が立ってしまうほど感動した。
一番すばらしかったのは、テノールの李康樹さん。透き通った、奥行のある音質、発生のすばらしさ、ホール全体に響き渡る音量、微妙な起伏のある表情の出し方、全てが世界に通用するテノールだったと思う。古典舞踊組曲も、とても楽しめた。子どもたちに愛情、謙虚、平等を伝える物語をすべての作品が素晴らしい振り付けと美しい民族衣装で語ってくれた。また、踊り手の表情の豊かさに感服した。とくに『興夫伝』で興夫のお兄さん役を演じた崔成樹さんは、キャラクターがよく出ていた。伝統と新しいものを巧みに融合させたすばらしい歌劇団! たくさんのパワーをもらった」。 また、親せきに誘われ神奈川から訪れたという卞恵美さん(21)は、日本学校出身。幼いころに祖父母がカセットで聞いていた朝鮮の歌が今回の公演で流れていたという。「すごくなつかしかった。ぜひ、また観にきたい」と感激しきり。「太鼓を見ていないのによく打てるんだなあと驚いていた」と独舞「太鼓の舞」の印象を述べ、ふだん見ることのできない朝鮮の芸術、鮮やかな衣装に魅了されたと笑顔で語った。 国交正常化願い 金剛山歌劇団の公演が日朝友好促進東京議員連絡会との共催で行われるのは今回が初めて。 同議員連絡会は、02年に結成され、@民族教育への支援、A総連支部や同胞たちとの交流、B訪朝団の派遣などの活動を主とし、草の根で日朝親善交流活動に取り組んできた。 公演は現在の厳しい日朝関係を打開し、国交正常化の一歩になることを願って準備が進められてきた。 公演に先立ち、共同実行委員長である康、江口両氏があいさつをし、公演に足を運んでくれた観客に感謝の意を表した。さらに、江口委員長は「隣国である朝鮮との国交正常化を願う公演を実現できてうれしい。議員連絡会では、今後も日朝友好を深めていきたい」と述べ、大きな拍手を浴びた。(文=姜裕香、写真=盧琴順記者) [朝鮮新報 2009.7.31] |