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くらしの周辺−新しい仲間

 最近家族に仲間が増えた。末娘が社会見学に行ったおり、子ザリガニを土産に持って帰ってきたのだ。

 傍で三日坊主だろうと高を括って見ていたが、どうも状況がいつもと違う。娘たちの熱の入れよう、常に部外者であった妻がいつになく熱心だ。これはいったいどうしたことか。このナゾを名探偵コナンのつもりで3点明らかにする。

 1つは、かのザリガニに愛称をつけていたこと。「エビちゃん」と聞き一瞬鼻であしらったが、即座に冷ややかな視線がとんできた。

 2つ目、三人寄れば文殊の知恵とはよくいったもので、衣食住問題を何なく解決していたことだ。私の大の好物のスルメが餌に、住まいにはお弁当用のタッパが用いられていた。スルメがれっきとした餌になると聞いて敬服した。彼女らの迅速な対処にはさすがに驚いた。

 3つ目、エビちゃん、就寝中は必ず体を横に倒し前足をそろえるといった奇妙な体勢をとる。この愛苦しいポーズに妻がメロメロとなったことは言うまでもない。

 つい先日、朝から家中大騒ぎになった。なんと2匹に増えてるではないか。どうして? まさか! と思い巡らしているうち、脱皮したことに気がついた。

 ザリガニは脱皮を繰り返すことで体が大きく成長する。小さいタッパの中で繰り広げられた生命の営みに思わず感嘆の声をもらした。と同時に反省もした。

 この夏の間にできるかぎりのことをしてあげよう。休憩のコーヒーを啜りながら思いに耽る私自身が、今では一番の虜になったのかもしれない。(李圭学、教員)

[朝鮮新報 2009.7.31]