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君の涙

いずれどの道 強いられる苦痛
その拘束について話す時さえも、
別れて恋しい
ご両親の話をする時さえも、
ちっとも涙を見せなかったのに

われらの願いが統一であることを
節ごと、節ごと、歌にこめた時
あぁ、身を切る悔しさに
無念の哀しみに咽びながら
途切れ、途切れ、潤んでいた君の声
その歌声の中 ぽろぽろと
涙に濡れた君の頬

その姿を見ながら、
熱いもので喉を詰まらせ
気がつくと 手にはハンカチ
君の顔を拭いてあげたいのに
こうしてハンカチを差し伸べてみると
あぁ、君は テレビ画面の中にいるんだ

(6.15共同宣言実践のための民族作家大会記念 リ・ホグン詩集「統一切符お売りします」 2005年、文学芸術出版社)

 リ・ホグン(1938〜)

 詩人。咸鏡南道興南市生まれ。1958年「朝鮮文学」に詩を発表し登壇。祖国統一を主題にした詩を数多く発表。朝鮮作家同盟副委員長、「統一文学」所属詩人。 詩集に「夜明けは窓辺に」「朝鮮はひとつだ」「統一行進曲」「金剛山にサロリラッタ」「統一金剛山」「庭にいちごが実る時」などがある。

 ※詩中の「君」、は89年世界青年学生祭典に参加するため単身平壌に入り、南への帰路、板門店を越え拘束された「全大協」代表・林秀卿さん。(選訳・金栞花)

[朝鮮新報 2009.8.24]