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〈徐千夏先生の保健だより-9月-〉 子育てにおいての干渉

 先月は親子の対話について紹介しました。どうでしたか? じっくり子どもと話をすることができたでしょうか? それとも、急に話し合うなんて、ぎこちなかったでしょうか?

 今回は親と子どもの関係について、もう少し詳しく話してみたいと思います。

 実際に子どもと向き合ったところで、どう対応すればよいのか悩むべき所だと思います。

 以下にこんなランキングがあることを紹介いたします。

 ●子どもが親に言われて嫌なこと(google調べ)
 ・早くしなさい
 ・なにぐずぐずしているの
 ・勉強しなさい
 ・ダラダラしないで・・・
 ・ダメ!

 これらの言葉や態度は、知らずしらず子どもの成長に大きな影響を与えていきます。

 子どもから興味や意欲を奪います。せっかく自分で考えようとしたり、やろうとしていても、そこで思考や行動をストップさせてしまいます。

 ウリハッキョのオモニたちは子育てに熱心です。熱心なあまり、子どもについつい手をかけ、言葉をかけ、期待をかけすぎてしまいます。子どものことなら何でも知っておかないと気がすまない親もいると思います。

 子育てにおいて「干渉」も基本です。しかし、難しいのは、適切な「干渉」も子どもにとってふさわしくない時期・年齢の「干渉」は、「過干渉」になってしまうということです。

 例えば、朝、オモニが天気予報を調べて、学校へ行く子どもに「午後から雨が降りそうだから、傘を持って行きなさい。はい、ハンカチとティッシュをポケットに入れて。車に気をつけてね」と送りだしたとします。子どもがランドセルをしょった小学1年生ならほほえましい光景ですが、高校3年生ならどうでしょう。また、オモニが帰宅した小学2年生のカバンを開けて、中に入っている絵や作文を見るというのはほほえましい光景ですが、高校3年生の子どものカバンを開けて中に入っていた手紙らしきものを読んだとしたらどうでしょう。

 同じことをしても、子どもの年齢によって、そのことの持つ意味は変わってきます。

 子どもの発達段階によって、同じ行為が、違う意味や違う影響を持つようになるのが、子育てなのです。

 親が干渉しすぎると指示待ちの子どもになります。

 子どもが一人でやっているのを見ているより手を出した方が早く、子どもが気づくまで待つより口を出した方が楽なので、ついつい干渉してしまう親は多いのではないでしょうか? でも、その結果、自分では何も決めることができず、親の指示を待つ子どもになってしまいます。

 子どもが自分で気づくまで待つことは、親にとっても忍耐のいることですが、将来のことを考え、子どもが自分の意思で行動できるように導くことが大切です。

 「干渉」をしながらも、子どもの成長に応じて次第に信頼し、子どもに任せていく「幅」を広げていき、少しずつ手放す状態にすることを意識してください。

[朝鮮新報 2009.9.10]