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第9回南北コリアと日本のともだち展 北、南、日本から330点 「統一したら一緒に宇宙探検を」


テーマは「行ってみたいところ」

展示作品の一部

 「第9回南北コリアと日本のともだち展」が10月23〜25日の3日間にわたり、東京・青山のこどもの城で開催された。

 「21世紀を平和の世紀にしたい」との願いから2001年にスタートしたこの絵画展は、自由な行き来が難しい東北アジアの3つの地域の子どもたちが、互いに絵とメッセージを通して触れ合おうというもの。

 これまで東京・平壌・ソウルをはじめ日本各地60カ所以上で展示され、出品総数は約2千点にのぼる。

 会場には、共同制作「平和の木」、子どもたちの自己紹介が書き込まれた自画像など、330点あまり(日本から284点、朝鮮から31点、南朝鮮から17点)の作品が展示された。

平壌の子ども

共同制作「平和の木」

 今年のテーマは「行ってみたいところ」。

 平壌の子どもたちは、空、海、山、動物園など自分が行ってみたいところをユーモラスな絵でのびのびと表現していた。

 パク・キソンくん(平壌・綾羅小4年)は海で楽しそうに泳ぐ絵を描いた。「海でおよぐと楽しいよ。ぼくはまた行ってみたい。ぼくの絵を見た君たちと一緒に西海へ行きたいよ」。

 ケ・ミギョンちゃん(平壌・長慶小2年)は、「好きな食べものは卵、好きな動物はリス。絵をかくのが好きなので大きくなったら絵描きさんになりたい」と自己紹介。赤・黄・ピンクの花畑と蝶、空に浮かぶ太陽、真っ白な綿雲を描いた。

 ロ・チョルヘくん(平壌・綾羅小4年)は体育が大好き。将来の夢は宇宙探検家。「ぼくの絵は、みんなと一緒に宇宙を観察する姿です。祖国が統一したら、ぼくの絵を見た君たちと一緒に宇宙探検をしてみたいです」。

日本とソウル

平壌で絵本を読み聞かせる田征三さん

「平和の木」に加える絵を描く子どもたち

 日本(「在日」含む)の子どもたちの行ってみたい所もさまざまだ。

 北井克典くん(神奈川・1年)は、「ぼくはしんかいで さかなをつかまえたい」、和田雪さん(埼玉・4年)は「花の車で花しかない世界に行ってみたい」と表現した。

 李岱浩くん(東京・6年)は、「無重力の世界に行ってみたい。大人になったら誰でも宇宙旅行ができる機械を作りたい。完成したら一緒に月に行って、地球ではありえない遊びをしよう!」と呼びかけた。゙泰煌くん(千葉・4年)は、「白頭山の天池に行って日本と朝鮮のともだちと一緒に遊びたい。日本のともだちに白頭山がきれいだと知ってもらいたい」とメッセージを添えた。

 ソウルのヤン・シンジョンくん(5年)は外遊びがとても好き。「行きたいところはジャングル。動物と遊びたい」。キム・ヒョンジさん(4年)の将来の夢は画家とバレリーナ。行きたいところは「北」。「南北が統一したら、必ず北に行ってみたい。みんなに会いたいよぉ〜!!」と熱いメッセージを伝えた。

美しい朝鮮

トークイベントも開催された

 24日には、トークイベントが行われた。

 筒井由紀子さん(KOREAこどもキャンペーン事務局長)が、日本と南北朝鮮の子どもたちとの共同制作「平和の木」ができるまでを映像を交えて話し、金聖蘭さん(東京朝鮮第5初中級学校美術教員)が今夏の平壌訪問について語った。続いて、絵本作家の田島征三さんと柳在守さんの「くりむ(絵)・とーく」が行われた。

 今夏、平壌を訪問した田島さんは、朝鮮について「風景がとても美しい国だった。空気も澄んでいて、農薬を使わず作物を育てている様子がうかがえた。川で子どもたちが裸で泳ぐ姿は懐かしい風景だった」と述べ、「僕は大統領にはなれないし、ならないけれども、ああいう国を創りたいと思った」と語り、笑いを誘った。そして、豚やヤギ、ウサギを飼って暮らす朝鮮の人々の生活について触れ、「行く先々で農村の人の働く姿、子どもたちが遊ぶ姿に、幸せそうな印象を受けた」と語った。

 ともだち展は、2日から福岡、京都、愛媛、埼玉などで順次開催される。(文=金潤順、写真=文光善記者)

[朝鮮新報 2009.10.30]