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男たちに告ぐ −金ヨンウィ−

女性のお喋りは 
存在の確認なのであります
今日もカフェで、街中で、
夕飯の食卓で
ひたすら存在を確かめるのです
疲れを知らぬお喋りは
女性のエナジーであります
女性の感性であります
たとえ息絶え生き返ろうとも 
存在を確認しようと婦人方が放つ
お喋りの深みを 
殿方が理解するはずもなく…されど
男たちよ!
そなたの感性の上に存在する
女性の感性を尊敬するのです
尊敬とまではいかずとも
お喋りに顔をしかめてはなりません
お喋りから生まれる美しきエナジーに
言いがかりをつけてはなりません
殿方は一度のしぐさで愛を示しますが
女性は絶え間なきお喋りで
愛を確かめるのであります
視線をかすめ合う
そのような愛ではなく
肌を摺りよせ完成される
そのような愛のために
小さな口の擦り切れることを知らぬ
お喋りは
今日も進行形でありますが故に
男たちよ!
女性の感性を尊敬するのです
女性のお喋りに顔をしかめずに
お喋りから生まれる美しきエナジーに
言いがかりをつけることなく
休止符のないお喋りで確かめてきた
女性たちの愛を
男たちよ、
愛し抜きなさい

(「野花の沈黙」2009年7月本の木出版社)

キム・ヨンウィ

 「開かれた文学」詩部門新人賞受賞。「開かれた文学会」会員。「詩と創作」作家会会員。33年間公職に身を置き2006年に定年退職。60歳。詩集「自分の場所で輝くのが美しい」などがある。

(選訳・金栞花)

[朝鮮新報 2009.11.9]