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東京第4初中で同胞医師ら招き「歯の健康教室」 地域サポートの中で

正しい知識で虫歯予防

 11月20日、東京朝鮮第4初中級学校で2009学年度歯科講習「歯の健康教室」が開かれた。「しん歯科クリニック」(東京・足立区)の申映均院長(44、昭和大学顎口腔疾患制御外科学教室在籍)と歯科衛生士の金綾香さん(25)、金明奈さん(23)姉妹が講師として招かれた。金さん姉妹は、共に「アクロシティ歯科クリニック」(東京・荒川区)で働いている。講師たちはいずれも同校の卒業生で、毎年4月に歯科検診を行ってきた。ウリハッキョで初めての歯科衛生に関する保健講習は、「歯」と「歯磨き」に対する正確な知識を与え、正しい「歯磨き法」を身につけ、習慣づけることを目的に行われた。

手作りの講習

東京第4初中で行われた「歯の健康教室」の様子

「きちんと磨けたかな?」

綿棒を使い、磨き残しを染め出す

 講習は、初級部低学年と高学年、中級部別に6回に渡り行われた。低学年では、虫歯になる原因や虫歯と食べ物の関係について、高学年では虫歯の原因や虫歯の進行、食事中の口内の様子、虫歯の予防について、中級部では、歯の構造や歯周病、歯と生活習慣病の関係、口臭の原因などについての解説が行われた。

 講義は、金さん姉妹を中心に進められた。手作りの教材やワークシートなどを用いて、一つひとつ丁寧に説明。生徒たちは興味深く話に耳を傾けていた。虫歯や歯周病の進行過程をスライド写真で提示すると、目を丸くしたり、驚きの声をあげていた。

 また、ブラッシング指導が全学年で行われた。まず、染め出し液を綿棒で歯に塗る。歯科医院でしか見たことのない染め出しに、生徒たちは興味津々の様子。次は手鏡で歯の汚れ(プラーク=歯垢)をチェック。赤く染まった歯を互いに点検し合ったり、思いのほかきちんと磨けていないことに驚く生徒の姿もちらほら。

 磨き残しを確かめ、年齢に合わせた正しいブラッシング法に沿って、奥歯から順番に念入りに歯を磨いていった。

 講義中には、「八重歯はどのように磨けばいいのですか?」「乳歯が虫歯になったら、すぐに抜いてもいいのですか?」など日常生活の中でのさまざまな疑問に対する質問が飛び出した。

 講習後、姜太星くん(初4)は、「知らなかったことをたくさん学べた。乳歯が大人の歯に生え変わる過程がすごいと思った。虫歯にならないように習ったことを実践したい」と話した。

 金純雅さん(初6)は、「絵や写真などの教材があってとてもわかりやすかった。染め出しをして、思っていたよりきちんと歯磨きができていなかったことにびっくりした。これから学んだ知識を活用していきたい」と語った。

 崔賢柱さん(中1)は、「歯の病気や正しいブラッシング法について習ったので、家でもアボジ、オモニや兄弟に教えてあげたい。今後もこのような保健講習を受けたい」と述べた。

定例化目指し

講師の話に耳を傾ける生徒たち

「染め出し」で赤く染まった部分をチェック

 講習は、子どもたちのためになる保健授業ができればという講師たちの思いと、保健教育に対する学父母たちの思いが一致して実現した。

 以前から講習の案は出ていたが、具体化されたのは今年の4月以降。講師と学校間で幾度と協議を重ね、準備に取りかかってきた。そこには、講師と学校のみならず、同校の教育会や総連足立支部、学父母をはじめ、地域同胞のサポートがあったという。

 同校の学父母でもある申院長。「初めての試みを、母校でできたことがうれしいし、何よりも地域同胞みんなの力で実施できたことが良かった。足立区はとくに同胞の結束が固く、気持ちで支えてくれる人が多い。これからもいろんな分野の講習会を設けられるよう、みなで力を合わせて盛り上げていきたい」と意気込みを語った。

 初めて生徒の前で講義を行った金さん姉妹。仕事を終え、寝る間も惜しんで準備に精を出した甲斐あって、無事に講義をこなした。

 金綾香さんは、「生徒たちが一生懸命聞いてくれたので、もっといろんなことを話したくなった。1回で終わるのではなく、体系的に続けていくことが大切だと思う。他のウリハッキョでもお手伝いできれば」と話した。

 金明奈さんは、「生徒たちが納得してくれたり、反応してくれるとうれしい。より正しい知識を持ってもらいたいと思った。また、私の同級生たちは愛校心が強い。いろんな資格を取得した友人たちがその専門知識を活かし学校に恩返しをしたいと話しているので、卒業生たちで多様な活動ができればいいと思う」と語った。

 仕事の合間を縫い、足を運んだ同校教育会の呉時宣副会長(51)は、「定期的にこのような場を設けられるように、教育会としてサポートしていきたい。地域のみんなで力を出し合って、学校事業を活性化させたい」と述べた。

 今後、同校では保健教育の多岐に渡る分野で、講習会などを設けていく予定だ。(姜裕香記者)

[朝鮮新報 2009.12.2]