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会場圧倒した176人の同胞大合唱 「祝杯の歌」高らかに

176人で構成された同胞合唱団

カヤグムとコムンゴの2重奏「砦の春」(功勲俳優・河栄守、金栄実)
バリトン独唱「ムンギョンの峠」(人民俳優・柳展鉉、左)、女性民謡独唱「新アリラン/ヨンチョンアリラン」(宋明花)

女性コーラス「春の歌」

男声コーラス「青春讃歌」

公演後、観客の歓呼に応える出演者たち

惜しみない拍手を送る観客たち

 16日、金剛山歌劇団と東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団との1年ぶりの共演に花を添えた同胞合唱団の熱唱は、会場を大いに沸かせた。出演者らの声を拾った。

 この日、同胞合唱団として出演したのは、東京、埼玉、千葉、神奈川、西東京のコーラスサークルをはじめ、朝鮮大学校合唱愛好会、朝鮮会館青年部合唱愛好会、東京朝鮮歌舞団、金剛山歌劇団メンバーら176人。フィナーレを飾った。

 10〜80代の老若男女が高らかに歌った迫力満点の「祝杯の歌」の大合唱に、会場のボルテージは最高潮に達した。

 最高齢の出演者・康好仁さん(84、東京)は、この日を待ちわびていた。日頃から歌やピアノを楽しむ康さんは、舞台経験も豊富だが、歌劇団と東京シティ・フィル、同胞たちとの共演はまた格別だという。

 「長いこと日本で暮らしてきたが、こんな華麗な舞台に立てたことはない。とても誇りに思う。それも総連組織があってのこと。また、朝鮮音楽のレベルの高さをあらためて実感できたし、歌っていてとても爽快だった。朝鮮の音楽をもっと広められれば」と語った。

 夫婦や親子、祖母と孫での参加もちらほら。

 西東京の金圭善さん(71)と申芸里さん(45)は親子で出演。金さんは、所属する地域同胞女性のコーラスグループ「コール・華」を通じて、申さんは地域からの誘いで出演を決めたという。

 申さんは普段練習をしていない分みんなに追いつこうと、子育ての合間を縫いながら、積極的に練習に取り組んだ。当日、子どもがインフルエンザにかかり出演を迷ったが、夫に子どもを預けて本番に挑んだという。

 2人は公演を終えて、「感慨無量。一生に一度あるかないかの大舞台に、親子で出られて感激した」と口をそろえた。

 金南順さん(63、神奈川)は、息子の金剛山歌劇団歌手・金成在さんとの同じステージに立てるのを心待ちにしていた。昨年の公演を観て感銘を受け、朝鮮新報に掲載された合唱団の募集要項を目にし、さっそく応募したという。

 念願のステージに立ち、「迫力あるオーケストラの伴奏、大きな舞台での合唱はとても清々しかった。また、音楽を通じて心は通じ合えることを再認識した。朝・日の関係は未だ正常ではないが、このような交流を通じて解決の道をたどっていければいいと思う」と話した。

 男性たちの気迫みなぎる歌声もまた、聴衆を惹きつけた。

 「朝鮮の歌が好き」という洪賢基さん(37、東京)は、昨年から男声コーラスグループ「アエ」に参加。11月からは、今公演を目標に、週1回集まり練習をしてきた。

 公演直前には、「同胞たちと朝鮮の歌をうたうのは、とても楽しい。また、『チョンサン里に豊年が来た』は、東京朝高の伝統曲だけに気合が入る」と意気込んでいた。

 東京朝鮮歌舞団の金赫淳団長は、「これからこのような公演が定例化すれば、同胞たちの間でも『チョンサン里の季節がきたね』と評判になるのでは。文化事業には、同胞たちを集め、民族心を奮い立たせる力がある。毎年歌うことになればさらにレベルもアップするだろうし、練習期間がたっぷりあれば、参加者ももっと増えるだろう」と語った。(姜裕香記者)

[朝鮮新報 2009.12.21]