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生野西青商会ボクシング教室 開講から半年、会員数が1.5倍に

拳でつながる絆

 「トンポアイネット拡大21」100日間運動を力強く推進する目的で、生野西青商会が生野西ボクシング教室(通称「拳青会」)を昨年6月5日に開講し約半年。現在、大阪朝鮮高級学校ボクシング部OBらの受け皿として、また同胞の健康と未来の朝鮮代表を育てようと毎週行われており、会員数は約1.5倍(現在25人)に増えた。

汗だくの練習

真剣な眼差しの宋政哲さん

 バスッ、バスッ−。毎週木曜の午後7時半、総連生野西支部講堂から激しい音が聞こえてくる。

 講堂のドアを開けてみると、ジワっとした熱気と「ハア、ハア」と息を切らす参加者らの声。

 ふくらはぎが引き締まった「オヤジ」たちが爽やかな表情で近づいてきた。「ああ、しんどっ!」「きっついわー!」と、朝高ボクシング部員並みの汗の量だ。

 朝鮮代表としてオリンピックに、そして高級部では「全国大会」出場も夢見る生徒も4人いる。

 決められた時間内に各自がミット打ち、サンドバッグ、シャドーボクシング、縄跳び、腕立て、腹筋など基礎練習をこなし、マスボクシングもこなす。

掛け声とともに、基礎練習を行う

 ナイスフットワーク!−生野西青商会が開講を前に招請した大阪朝鮮第4初級学校の梁学哲校長(「トンポアイネット拡大21」推進委員)の指導にも熱がこもる。

 腕立て20回を3セット、ストレッチ体操も終え、9時前には練習が終了。銭湯にいこう、飲みにいこう、今日は帰る、試験勉強しなきゃ、と参加者らはそれぞれ、解散した。

 練習に参加したことのある元WBCスーパーフライ級チャンピオンの洪昌守さんは、「日に日に前進している。強い意欲が伺える」と述べていた。

 生野西ボクシング教室の会員らは昨夏、和歌山県のボクシングジムで、一泊二日の合宿を行い、海水浴も楽しんだ。会員数は日に日に増えている。

「同胞と一緒」

「会員を増やそう!」と意気込んでいる

 練習後は楽しく笑う、そんな生野西同胞らに、ボクシング教室への思いを聞いてみた。

 参加者のひとりで「うまい」と評判の宋政哲さん(49、総連支部非専従副委員長)は、「同胞のつながりで参加者が自然と集まる。指導力もさることながら、面白い練習を取り入れてくれる。練習後にみんなで食事をするのも魅力のひとつ。ボクシングを通じた『トンポアイネット拡大21』の推進につながっている」と話す。

 教室には、大阪第4初級学校の学父母らも参加しており、洪性徹さん(44)もそのひとりだ。洪さんは普段、総連支部で子どもたちの空手の指導に当たっているが、自身が思い切って体を動かすことがあまりなく、そのような場を探していたところ、開講の報をうけ見学した。「本格的な練習に魅力を感じた。おかげで筋肉が締まってきた。練習の次の日は仕事ができないほど疲れるけど、地域同胞と一緒にストレスを発散している。爽快そのものだ」と語った。

 一方で「子どもがウリハッキョを卒業して数年経ち、若い同胞とも交流が途絶えかけていた。しかし、ここで知り合えた同胞と横のつながりを再構築している。貴重な場だ」という参加者もいる。大阪朝高ボクシング部のOBだが、感謝の意を表していた。

 技術向上と新たな会員獲得に励む生野西ボクシング教室。今後の目標は33歳以上のプロ、アマチュア選手らのスパーリング大会である「ザ・おやじファイト」への出場だ。

 教室の代表を務める生野西青商会・金達之会長(43)は「拳でつながる絆を、今後も大切にしたい」と話していた。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2009.1.14]