top_rogo.gif (16396 bytes)

ロンドン五輪めざす朝鮮スポーツ界 今年は第1段階 総合大会に全力

 【平壌発=韓昌健記者】2012年に英国のロンドンで五輪が開催される。いま朝鮮のスポーツ界は4年後の五輪を見据え、長期的計画のもとで強化に励んでいる。今年、朝鮮代表選手が参加を予定している主な国際大会について、体育指導委員会のキム・ウラ責任部員(41)に聞いた。

少数精鋭が基本

今年の展望について語る体育指導委員会のキム・ウラ責任部員

 朝鮮スポーツ界では、今年を2012年ロンドン五輪に向けた強化の第一段階の年と位置づけている。

 総合競技大会、各種目別の世界選手権、各種目別のアジア選手権の3つに分けて代表選手派遣を予定している。

 もっとも力を注ぐ大会は総合競技大会だ。

 第5回東アジア競技大会が12月に香港で行われる。23種目中、男子サッカー、マラソン、射撃、ウエイトリフティング、柔道、水泳、陸上などの種目にエントリーを予定している。「数を撃てば当たる式に、単にエントリー種目を増やしていくのではなく、好成績を狙える分野に的を絞って、少数精鋭を集中的に派遣するのが基本スタンス」とキム責任部員は話す。

 次に、各世界選手権大会に参加する。

 今年は、柔道(8月、オランダ)、男子ボクシング(8月、イタリア)、レスリング(9月、デンマーク)、体操(10月、英国)、ウエイトリフティング(11月、開催国未定)などへの代表選手派遣を予定している。

 また、アジア選手権大会にも参加する。

 レスリング(4月、タイ)、ウエイトリフティング(5月、カザフスタン)、柔道(5月、中国)、男子ボクシング(6月、開催国未定)、陸上(7月、中国)などへの選手派遣を予定している。

 ほかにも世界カップ大会に参加する。

 男子柔道(2月、ポーランド)、女子柔道(2月、チェコ)、体操(4月、スロベニア)、射撃(5月、エジプト)などへの参加を予定している。

各種目に有望選手

北京五輪で金メダルを獲得したパク・ヒョンスク選手

 有望な選手として、リ・セガン、ホン・ウンジョン(体操)、パク・ヒョンスク、オ・ジョンエ(ウエイトリフティング)、パク・オクソン、ウォン・オクイム、パク・チョルミン、キム・チョルス(柔道)、キム・ソングク(ボクシング)、ヤン・チュンソン、ヤン・キョンイル(レスリング)の名前をキム責任部員は挙げた。

 男子サッカーにも今年は特別な関心が注がれている。2010年に行われるFIFA(国際サッカー連盟)主催のW杯南アフリカ大会へのアジア枠出場国が今年中に確定するからだ。現在、アジア地区最終予選グループBの2位につけている。44年ぶりの出場に向け、国内の関心は高い。体育指導委員会としても全面的にバックアップしていくという。

 また、第1回アジアユース五輪(7月、シンガポール)にも有望な若手選手を派遣し、来年8月に開かれる第1回世界ユース五輪に向けての強化に励む計画だ。女子サッカーは10月にアジアU−20大会、11月にアジアU−17大会への参加を予定している。11月にマカオで開かれる国際マラソン大会にも選手を派遣する。ほかにも男女サッカーの東アジア選手権が予定されている。

科学的な育成方法

北京五輪で金メダルを獲得したホン・ウンジョン選手

 世界のスポーツ界では今、各種目で科学化が進んだ。選手の体調管理や栄養摂取、強化プログラム作成の微細な部分にいたるまで、科学的に緻密な分析・計算がなされる。

 朝鮮国内にも近年、国家的なスポーツ科学研究施設が建設された。

 各体育団からの要請を受け、育成プログラムを作成している。そこには前述した内容が全て組み込まれ、選手一人一人に合った専門育成プログラムを作成するシステムになっている。そのための資金も国家が全面的に提供する。

 「資本主義諸国では、たとえ有能な選手でもスポンサー探しに四苦八苦し、資金がなくて強化に励めない人も多いと聞く。しかし、朝鮮では国家が全面的に選手をバックアップし、強化に集中できる環境がつねに整っている」とキム責任部員は語る。

 朝鮮では去年開催された北京五輪に関して「もう少しメダルを獲得できたのではないか」(キム責任部員)と総括した。また、総人口あたりのメダル獲得比率を数字で換算すると、朝鮮は世界的にも上位に行くはずだと分析する。次回のロンドン五輪では北京五輪以上のメダル獲得をめざしている。今年はその行方を占う第一段階だ。

 選手たちは、各所属体育団で日夜練習に精を出している。

 【注】文中に掲載した各国際大会の開催時期と場所は変更のある場合があります。具体的な内容は体連まで問い合わせてください。

[朝鮮新報 2009.2.18]