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鄭大世選手応援会 第3回激励・交流会開く 「パワーの源」に感謝

同胞、日本人サポーターに支えられ

 テセフレンズの愛称で知られる「川崎フロンターレ鄭大世選手応援会」(崔哲名誉会長、金一男会長)が14日、川崎市のカメリアホールで第3回激励・交流会を催した。所属するJ1・川崎フロンターレでの活躍もさることながら、朝鮮代表のエースとして2010年開催のW杯出場を目指しアジア地区最終予選に臨んでいる鄭大世選手(24)を支える川崎・南武など神奈川同胞、そして多くの日本人サポーターらを中心に110余人が駆けつけた。

応援ツアーを企画中

横断幕を披露する日本人サポーター

 激励・交流会では神奈川体協会長の崔哲・応援会名誉会長、西東京体協の李相運会長、県下各機関の代表、川崎・南武地域などの同胞、朝鮮学校生徒、川崎市議会議員、フロンターレ関係者、練習生時代から支えてきた「テセ会」メンバーらが鄭大世選手応援会の会員とともに有意義な時間を過ごした。

 11日、平壌でサウジアラビアとのW杯アジア最終予選(第4戦)を終えたばかりの鄭大世選手がスーツ姿で登場すると、朝鮮学校生徒やプロサッカー選手を目指す地元の日本人小学生らから黄色い声援が飛んだ。

 まず、昨シーズン、川崎フロンターレ最多の14得点でJ1リーグ3位となり、チームのリーグ2位に貢献した鄭選手の「ゴール集」映像が流された。

 つづいて鄭選手が「昨年は苦労したが結果を出せた。これもひとえにみなさんの温かい支えのおかげです」とあいさつ。1年の初めの時期に激励してくれて心から感謝したいと満面に笑みを浮かべ、朝鮮学校生徒たちから花束を受け取った。

乾杯の音頭をとった崔哲名誉会長

 川崎フロンターレ常務取締役の福家三男・強化本部長、川崎市の砂田慎治副市長らが鄭選手の活躍ぶりを壇上から称え、崔哲名誉会長の音頭で乾杯。和気あいあいとした雰囲気のなか、鄭選手は各テーブルを回り参加者と歓談した。

 「テセ会」の森正雄代表はこれまでの活躍をDVDにまとめたと報告しながら、試合会場に掲げる予定だという横断幕を披露した。

 鄭選手のサッカーグッズがもらえる「テセグッズ争奪ジャンケン大会」などで会場は大いに沸いた。

 最後に金一男会長が、さらなる活躍を祈願し激励の言葉を送った。

 2007年11月発足の応援会では、今後さらに活動を盛り上げ幅を広げていきたいという。3月7日には、等々力陸上競技場で行われるJ1リーグ開幕戦(川崎フロンターレ×柏レイソル)への第3回目となる応援ツアーを企画している。

支援する地元ファン

参加者一人ずつ握手する鄭大世選手

 多くの会員数を抱える「テセ会」の森正雄代表は、鄭選手を入団当初から応援し交流を続けている。「いつのまにか大世の人間性に惹かれていた。彼のおかげで日本人と在日の人が、今日のように一つになれている。ほんとうにうれしい」。

 福家三男・強化本部長は笑顔。「昨シーズン、リーグで準優勝できたのは、人間ブルドーザーとも呼ばれている大世がチームを引っ張ってくれたおかげ。フロンターレの試合だけではなく代表戦などで精神的にもきついだろうが、さらに一歩前進してもらいたい。チームとしても期待している」と語った。

 応援会発足の際にも参加した砂田慎治副市長は、日本代表にも鄭選手のような気持ちを全面に出す選手がたくさんいたらいいのにと述べ、ケガに気をつけてすばらしいプレーをこれからも見せてほしいと話した。

希望与えてくれた

 崔哲名誉会長は「ウリ テセ」と呼びながら、息子を眺めるようにファンと交流する鄭選手を見守っていた。「大世は、拉致、核問題など在日同胞をとりまく複雑な事柄が多いなか、われわれに希望を与えてくれた。日本人ファンも多い。W杯に出たら大変なことで、朝大に入るという朝高生もさらに多くなるだろう」と目を細めた。

 携帯メールなどでたびたび連絡をとり、食事にも誘っているという金一男会長は、朝大第1号Jリーガーの鄭選手を応援する同胞の熱い思いを感じているという。さらに、「それ以上に大世は気持ちのアツい選手。会としては、今後も試合観戦のツアーを設けていきたい」と語った。

 一方、ジャンケン大会の司会を務め盛り上げていた車葡撃ウん(神奈川県青商会副会長、川崎青商会会長)は、唯一の非専従として応援会事務局に属している(他のメンバーは専従)。鄭選手とは同胞ボウリング大会で知り合った。 会場を後にしながら、「大世はヒーローなのに驕らない。大世はサッカー、私は青商会で互いにがんばる同志だ。われわれをW杯に導いてくれると信じている」と笑顔だった。

「大世ヒョンニムのように」

 多くの応援に笑顔で応えていた鄭大世選手は「後援会が自分に力をくれるパワーの源で、モチベーションを上げてくれている」と感謝の意を述べる一方、「朝鮮代表チームは試合内容が毎回よくなっている。W杯出場に向け、後悔のないよう全力で臨みたい」と語った。

 会場には「未来の鄭大世」を夢見る朝鮮学校生徒も親の手に引かれ多数参加していた。ジャンケン大会で勝ち進みスパイクを受け取った川崎朝鮮初級学校の尹南隆くん(初1)は、「大世ヒョンニムはサッカーがうまくて、憧れの選手。ぼくも大世ヒョンニムのように朝鮮代表になれたらワールドカップで優勝して、ウリナラを有名にしたい」と話していた。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2009.2.25]