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初開催の東日本トップクラブリーグ表彰式 朴晃弘選手が最優秀選手賞

高麗クラブが数々の賞獲得

 総連東京闘球団・高麗クラブが、2月21日に東京都台東区の浅草ビューホテルで行われた「第5回東日本トップクラブリーグノーサイドパーティー(兼表彰式)」で数々の賞を獲得した。このうち、朝鮮大学校ラグビー部出身で同大職員の朴晃弘選手は最優秀選手賞を受賞し表彰された。

フェアプレー賞など
 

ノーサイドパーティーに出席した高麗クラブの選手たち

 関東ラグビーフットボール協会は、クラブラグビーを盛り上げていこうとさまざまな活動を行っている。ノーサイドパーティーと題し初めて開催された今回の表彰式もその一つで、協会役員とともに高麗クラブの姜宗卓代表も準備に携わった。

 パーティーでは、関東協会クラブ委員会の奥村敏明委員長、関東協会の志賀英一会長らがあいさつした後、サンケイスポーツ賞(得点王、トライ王)、新人賞、ベストホイッスル賞、フェアプレー賞、トップクラブリーグ賞、ニュージーランド航空賞(ベストゲーム賞)、ベストフィフティーン(優秀選手賞)、ラグビーマガジン賞(最優秀選手賞)が発表された。

 高麗クラブは、ダントツのポイントでフェアプレー賞を、また昨年12月21日に行われたDivision2チームとの入替戦の試合内容が評価されニュージーランド航空賞を獲得した。申ハンソル選手(センター)と朴晃弘選手(ナンバー8)はベストフィフティーンに選出され、ベストフィフティーンから選ばれる最優秀選手賞に、朴選手が選ばれた。

 割れんばかりの拍手のなか、雑誌「ラグビーマガジン」編集長から記念品を手渡された朴選手は、「朝鮮大学校から高麗クラブに入りました」とあいさつし、大勢の参加者から祝福されていた。

「他チームの目標」
 

最優秀選手賞を受賞した朴晃弘選手(左)と優秀選手賞の申ハンソル選手

 会場では、数々の賞を獲得した高麗クラブを称える声があちこちで聞かれた。

 奥村委員長は、真摯に取り組む姿勢を絶賛。体は大きくないが、体を張りディフェンスする姿が印象的で、練習量の多いチームだと評価。さらに「朝大、朝高がかつて、公式戦に出場することができず、悔しい思いをしていた。その悔しさを高麗クラブの選手たちは忘れていない。引き続き上を目指してもらいたい」と激励した。

 一方、ベストホイッスル賞を受賞した日本協会レフェリーの桜丘将博さんは、高麗クラブの試合で笛を吹いたこともある。フェアプレーの精神でルールを守り真摯的な試合を展開する高麗クラブと在日同胞社会の印象について次のように語った。

 「とにかく礼儀正しいし、ノーサイドの笛が鳴るまで一生懸命プレーする。昨年のリーグ戦を東京朝鮮中高級学校グラウンドでやった際、高麗クラブの試合もあって、在日の人たちが焼肉パーティーを催してくれた。それがすごくうれしくて、在日の人たちは見ず知らずの人たちにもとても温かいなあと思った。また、学生のときからラグビーだけでなく、日常生活のマナーもしっかりと体得しているようで、それが社会人になっても生きているということが、高麗クラブの選手たちの姿を見ていてわかる。マナーの良いチームは少ないため、高麗クラブの姿勢は他チームの目標になっている」

「日本一」に向けて
 

関東協会クラブ委員会委員長(右から2人目)と記念撮影

 関東協会主催の東日本トップクラブリーグは、2004年から始まり5シーズンを終えた。当初は5チームでのスタートだったが、現在11チームをDivision1とDivision2の二つのブロックに分けリーグ戦を行っている。

 高麗クラブは06年度から東日本リーグに昇格。昨シーズンは思うような結果を残すことができなかったが、現在もDivision1に属し、3回目の全国クラブ大会出場を果たし日本選手権への出場も視野に入っている。選手たちはパチンコ、不動産、飲食関係、そして学生、専従活動家など、さまざまな職種を持ち、仕事を終え週に2度の練習、試合などをこなしている。

 前主将の申ハンソル選手(31)は、「在日のチームが日本選手権を志向する意義は大いにある」と語り、ノーサイドパーティーのような舞台は若手に刺激を与えており、ベテラン勢が牽引して今後もチームを支えていきたいと話す。

 外国でプレーしていた経験もある梁義基選手(28)は、「若い選手たちのためにも、自分たちがもっともっとがんばらないといけない。敷居は低いから多くの新人選手に入団してもらい、共に上を目指したい」と話す。また、宋光守選手(27)は「高麗クラブがあったから、朝大を卒業して入団できた。チームは在日ラガーマンの受け皿」と笑顔で語った。

 今年から新主将となった金竜成選手(27)は、チームを若いパワーで盛り上げていきたいと述べ、トップリーグに属するチームの実力は均衡しているものの、着実に勝っていかねばと気を締める。

 「ラグビーを観戦する同胞は少ないかもしれない。しかし、常に高麗クラブに関心を持ってくれている同胞がいる。勝つことで結果を残し多くの同胞に存在をアピールしていきたい」

◇       ◇

 ノーサイドパーティーの準備に携わった姜宗卓代表(37)は、朝鮮学校の生徒数が減り、ラグビー部もなくなってきている現状も踏まえ、闘球団の活躍で同胞社会に活力を与えたいと考えている。「大阪の千里馬クラブをはじめ全国の闘球団が日々がんばっているように、在日ラグビーはまだまだ死んでいない。引き続き日本一を目指したい」と話していた。

 朴晃弘選手(23)は最優秀選手賞の記念品を手に、「この賞は、私が九州出身でも楽しくプレーできるよう迎え支えてくれたチーム全体の賞。チームの雰囲気は楽しく練習は激しいが、家族もひっくるめてラグビーができるすばらしい環境に魅力を感じている」と語った。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2009.3.4]