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〈私たちの魂〉 黄秀京選手(バレーボール) バレー漬けの毎日

 恵まれた体格でコート内を縦横に躍動する。前向きな性格は、周囲をパッと明るくする。大阪朝鮮高級学校バレーボール部出身の24歳。現在、V・チャレンジリーグのGSSサンビームズに所属し、総連東京排球団の練習にも参加するなど、「バレー漬け」の日々を送っている。

 GSSは人材派遣会社。「選手である前に、社会人として自立し、誰からも信頼される人間であれ」という同社のスタンスと実業団でバレーを続けたいという本人の希望とが重なり、07年に入社。日中は派遣先の病院で会計係として働きながら週2回の練習に励む。チームではスピードと高さを買われ、センタープレーヤーとして活躍、08年度から参戦したチャレンジリーグ昇格に貢献した。

 Vリーグ登録選手では唯一の朝鮮籍。GSSのチーム関係者は、「輪のなかに入っていけるタイプ。朝鮮人としての誇りもしっかりと持っている」と高く評価する。

 学生時代、病を患っていた女子部員を放っておけないと、何年間共に起居した経験などが、他者に強く当たっていた自分を見つめなおすきっかけになった。極度のスランプが続き、気づくと体重が13キロ減っていたこともあった。

 「考え方ひとつで人間は変われる」。バレーを通じ、さまざまな経験をし、いろんな出逢いに恵まれた。

 これまで世話になった人たちに恩返しをしたいと思っている。そのひとつが、朝鮮学校出身者にも実業団という道があるという可能性を示すこと。そして、朝鮮学校で自身の経験を生かしたいと願っている。

 「いつかオモニになっても、やっぱりバレーを続けていたい」。ニコッとほほ笑み、猛練習の日々へと戻っていった。(東)

[朝鮮新報 2009.6.17]