〈在日サッカー協会のページ〉 東アジアサッカー選手権を振り返る |
金光浩・朝鮮代表コーチ(在日本朝鮮人蹴球協会副会長) サッカーの朝鮮男子代表は8月末、台湾で行われた東アジアサッカー選手権準決勝大会に臨んだ。 W杯予選を終えたあと、久しぶりのAマッチだった。朝鮮代表はサウジアラビアとのアジア地区予選最終戦(6月17日)後、つかの間の休息をとり、再始動した。 東アジア選手権準決勝大会は、優勝チームが来年2月に日本で開催される決勝大会への参加資格を得ることになっていた。東アジア選手権といえば前回、中国・重慶での日本戦で鄭大世選手が先制点をあげた、あの大会である。 準決勝大会での事実上の決定戦ともいえる香港戦にあわせて、日本からハードスケジュールの中、鄭大世選手も前日に合流した(安英学、ホン・ヨンジョ選手はチーム事情で合流できなかった)。 予想では、順当にいけば、朝鮮代表が本大会(決勝大会)へと進む確立は非常に高いと思えた。 第1戦のグアムには9−2で勝った。第2戦では香港と対戦。試合の入り方は悪くなく、実力的にも勝てると思える試合運びであったが、選手の動きにもうひとつ切れがなかった。 調整の問題か? モチベーションか? チームとしては、W杯予選のように劣勢になる時間帯よりも、攻撃時間が多いという予想から、今大会は攻撃的なプランで挑んだ。だが、なかなかうまくかみ合わず、ゴールをこじ開けられない。逆にカウンターからシュートまで持っていかれる場面も…。試合は、押し気味に進めながらも、痛いドローで終わった。 結局、グアム戦で12点、台湾戦で4点を入れた香港に対し、最終戦で台湾に9点以上の差で勝たなければならない状況の中、勝利したものの2−1というスコア。 大会を終えての感想は、モチベーションにすこし課題があったという感じがした。「大きな収穫」(W杯出場)を得た余韻がまだ抜けていなかったのかもしれない。 決勝大会は、日本開催ということで、在日サッカーマンの期待と関心が高かっただけに、非常に残念な結果となった。 本大会は、女子だけの出場となってしまった。 一方、男子代表は10月中旬まで約10日間のフランス遠征を終え、11月5日(予定)に平壌でブラジルのクラブチーム(1部チーム)と対戦した後、11月中旬からは南アフリカ遠征を予定している。 来年の年明けからは、ヨーロッパ、南米、そしてアジアカップ本大会へとつながるチャレンジカップなど、W杯への準備が着々と進められていく。各大会では、今回の教訓が生かされると確信している。 【在日本朝鮮人蹴球協会】 [朝鮮新報 2009.10.28] |