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芸術体操「第6回合同発表会」 目についた独創的な演目

東京朝鮮文化会館、約300人が参加

発表会後、記念写真を撮る出演者と関係者ら

 芸術体操「第6回合同発表会」(主催=在日本朝鮮人芸術体操協会)が3日、東京朝鮮文化会館で行われ、同胞、関係者ら約300人が参加した。

 発表会では約60人の出演者らが団体・個人の演目合わせ21作品を披露した。

 全出演者による体操演技で始まった発表会では、リボンやボール、フープなどを使った多彩な演目のほか、ショールやタンバリンなどを用いた独創的なものも目立った。

 東京朝鮮中高級学校高級部2年生らは、インフルエンザにより欠員状態での参加となったが、フープを使った演技を見事ノーミスで成功させた。

 また、メンバー全員が他の部に所属しながらも週に一度、芸術体操教室で練習を重ねてきた西東京朝鮮第一初中級学校中級部の華麗な演技には惜しみない拍手が送られた。

 東京朝鮮第3初級学校生徒と学齢前児童によるリボンとショール運動は、軽快な音楽に合わせた独自のふりつけで会場を湧かせた。

 さらに、全日本学生選手権の出場経験をもつ朝鮮大学校・安成花さん(外国語学部2年)は、同大学職員の李潤哲さんのバイオリン演奏に合わせ、ショールを使った神秘的な演技で観客を魅了した。

フープ、リボン、ボールを使い会場をわかせた東京第9初級低学年の演技

 一方、本番で十分な実力を発揮できず、惜しくも見せ場で失敗した出演者たちが、指導者の激励のもと、成功するまで何度も同じ箇所に挑戦する一幕も見られた。

 芸術体操協会・金明華副理事長は、「毎年、出演者らの実力が着実に向上している。日本の大会でも通じる技術力がついてきたと思う」と話した。

 またこの日、来ひんとして会場を訪れた総連中央・梁玉出教育局長は「出演者らの喜びにみちた表情からそれぞれの練習成果が垣間見られた。今後も励み、芸術体操分野で朝鮮学校の名をとどろかせてほしい」と語った。

縦の連帯を支えに

 今回、発表会に出演した出演者のなかで、初級部から体系的に芸術体操を学んできたのはほんの数人にしかならない。

 「練習は、大半の学校で部活ではなく『教室』という形で行われているのが現状。今日の発表会は、それぞれ練習時間、場所の限られる中でコツコツと積み上げてきた努力によって実現した。そうした困難の中でも、発表会を03年以降、毎年行うことができたのは、地道な活動の中で培った『縦のネットワーク』があったからだ」と芸術体操協会・韓錦女副会長兼理事長は語る。

 今回の発表会が最後の舞台となった東京中高高級部3年生らは入部当初、全員が未経験者ということに加え、部員の減少による廃部危機にさらされていた。

 「それでも希望を捨てずに辛い練習を耐え抜いてこられたのは、常にそばで指導し支えてくれた諸先輩のおかげ。今後はOBとして後輩の育成に携わっていきたい」(東京中高、尹由里主将)。

 芸術体操協会では、今後も同胞社会における芸術体操普及と人材育成に重点を置き、定期的な合同練習、発表会などの活動を精力的に行っていく予定だ。(周未來記者)

[朝鮮新報 2009.11.18]