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大阪朝高ラグビー部 「全国大会」に向け準備万端

「気持ち前面に出して臨む」

日々、練習に励む選手たち

 11月8日に行われた「第89回全国高等学校ラグビー大会」大阪府予選で昨年度覇者の常翔啓光学園を破り、「全国」への切符を手に入れた大阪朝高ラグビー部。2年ぶり4回目となる大会出場に向け、選手たちは各県代表との練習試合を精力的にこなすなど、30日の初戦に万全の態勢で臨もうと日々汗を流している。

 大阪府予選から数日後、大阪朝高のグラウンドではラグビー部の選手たちが普段の変わらない練習メニューを黙々とこなしていた。優勝の余韻に浸っている様子はなく、選手たちの表情は一様に明るい。

「勝つべくして勝った」

 呉英吉監督は、決勝戦前に起きたある「事件」を機に勝利を確信したという。

 「高3の選手たちが2日前に合宿をしたいと言ってきた。合宿の最後にOB2人を入れてAチームとBチームで紅白試合を行ったが、負傷者が出るのではないかと心配になるくらい激しい内容だった。終了後、Bチームの高3がAチームの後輩たちに、『死ぬ気で試合に臨め。絶対に勝て』と涙ながらに訴える姿を見て、このチームなら勝てると確信した」

 決勝戦当日。高3の選手たちは合宿を通じて心を一つにできたことなど、これまでのことを思い出しながらグラウンドに入場した。

 試合が始まると、選手たちがそれぞれやるべきことをしっかりとやっていたので、安心して見ていられたという。「力を100%出し切った結果。勝つべくして勝った」と呉英吉監督は話した。

 今年の選手たちは、学校行事などを通じて、愛校心と同胞の期待に応えたいという気持ちをこれまでになく養ったという。その気持ちが前面に出た結果、優勝へとつながった。

 大会に向け、呉英吉監督はタックルをはじめとするディフェンスの強化などを課題に挙げた。「前回出場の時は3回戦で圧倒された。その時の高1が今の高3なので、とても燃えている。最低でもベスト8、ひいては優勝も狙っていきたい」と抱負を語った。

OBたちも期待

OBたちの期待もさらにふくらむ

 11月27日、大阪朝高ラグビー部OB会の金衛会長をはじめとするメンバーたちが集まった。呉英吉監督と金信男前監督、東大阪朝鮮中級学校の康徳守監督を交えて激励会を開いたのだ。

 金衛会長は、「大阪朝高ラグビー部は、強豪チームとして定着しつつある。選手たちが何の心配もせずに試合に打ち込めるよう、サポートしていこう」と訴えた。

 ラグビー部初代監督の金鉉翼さんは、「在日が日本のトップを狙うということのすごさをあらためて感じている。選手たちは日々成長している。精神力が強ければいくらでもトップになれる。今回は最低でもベスト8だ」と発破をかけた。

 メンバーたちは、「啓光に勝てて本当にうれしい」「大阪ラグビーは熱い。これからも、みんなで力を合わせて盛り上げていこう」と気勢を上げた。

 呉英吉監督は、「先輩たちが築き上げた歴史の重みを忘れずに、8強より上に行けるよう頑張りたい」と決意を新たにしていた。(李松鶴記者)

[朝鮮新報 2009.12.16]