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春・夏・秋・冬

 イランが初の国産人工衛星の打ち上げに成功した事に対して、米国はじめ国際社会がかまびすしい。衛星=長距離弾道ミサイルへの応用が可能となる、イスラエルや欧州の一部がその射程に入った云々と。国連安保理が同国の核開発について制裁決議をしているからなおさらだ

▼朝米の核問題とも重なってくるが、宇宙条約にもあるように衛星の発射、保有はどの国にも認められた固有の権利である。米国が発射してイランは認められないなどの論法は通じない。むろん衛星の開発、その技術の軍事転用が容易な事は常識である。要は当事者がその意思を持つのかどうか、にかかっている

▼時を同じくして、朝鮮が長距離ミサイルの発射実験に踏み切るのではないかという観測が流されている。衛星同様、ミサイル実験もどの国にも等しく認められた権利である。朝鮮が必要だと認めれば実験に踏み切るのであって、そこに他国、第3者が入り込む余地はゼロである

▼こうした、三尺童子にもわかる事実について、朝鮮やイラン、キューバなど反米自主を明確にする国々に対しては、何か重大な問題をはらんでいるかのような、国際法を犯しているかのような取り上げ方をする。まさに為にする論理以外の何物でもない

▼イスラエルが行ったパレスチナ・ガザ地区への軍事侵攻、無差別・殺りく行為についてはどうだったか。かつてのコソボ紛争などと同様、当然、人道に対する罪で告発されるべきイスラエルを米国は明確に擁護、支持した。このような二重基準を国際社会から一掃すると平和が訪れる。(彦)

[朝鮮新報 2009.2.6]