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春・夏・秋・冬

 朝鮮人強制連行真相調査団と日本の平和・市民団体が共催してきた「在日朝鮮人歴史・人権週間」。今年は7月に強制連行問題をテーマに行われる

▼朝青や留学同、朝鮮大学校の青年、学生たちはフィールドワークや名簿整理、証言収集、論文執筆など、強制連行問題の調査研究に活発に取り組んでいる。修学旅行先で強制連行跡地や墓地を訪れる朝鮮学校もある。「強制連行はなかった」という主張が平然とまかり通る日本社会に抗い、歴史の真実を学び伝える重要な活動だ

▼数十年に渡って在日朝鮮人史を研究しているある研究者は「今の学生たちは日本の植民地時代の体験談を直接聞く機会が少なくなっている。学校で学ぶ内容と日本社会で語られる内容が食い違っていることに疑問を抱くこともあるだろう。だからこそ真実との生々しい接触が求められている」と語る

▼数年前、福岡のある墓地を取材した際、足元に転がっている石が強制連行され犠牲となった朝鮮人の「墓標」であることを伝えられ、その場で体が固まってしまった。記者の特権というか、こうした生々しい体験をする機会は多い。宮崎では日本の「特攻隊員」として朝鮮人の名が刻まれている名簿を目の当たりにし、北海道では遺骨発掘に立ち会った。そのときの衝撃を決して忘れることはできない

▼解放後60年以上が経った今も、日本各地には無数の同胞の遺骨が眠っている。だが当時を知る人は少なくなり、痕跡がわからなくなった現場も少なくない。真実を残し伝えることは、それを知る者に課せられた使命だ。(天)

[朝鮮新報 2009.2.9]