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春・夏・秋・冬

 日本のある芸能人がネット上で日記などを綴っていたブログに事実無根の誹謗中傷や脅迫のコメントが多数寄せられた問題で、警視庁は書き込んだ複数の男女の一斉摘発に乗り出した。殺害予告された芸能人もいる

▼ネット上での中傷被害は他人事ではない。「朝鮮学校では反日・スパイ教育をしている」「朝鮮人強制連行はでっち上げ」といったデマに始まり、在日外国人が税金、社会保障など諸制度において過度な優遇措置を受けているという「在日特権」なる言葉まで溢れている。噴飯ものだが見過ごすのは危険だ。こうしたデマや誹謗中傷が恐怖や嫌悪といった負のイメージを植えつけ、排外主義、差別を助長しているからだ

▼埼玉県深谷市が外国人学校に通う児童生徒への教育助成を行うことを決めたことで、市に抗議の電話やメールが寄せられた。しかし、実際はほとんどが事実関係を誤認した内容だったという。「抗議の大半は、朝鮮学校を特別支援するものと誤解している」(市職員)

▼抗議の内容は、ネット上のブログや掲示板に書き込まれた誤った情報と類似している。そのなかには市の連絡先を記し抗議を扇動している書き込みもある

▼関東大震災朝鮮人虐殺ではデマが民衆を殺人へと駆り立てた。構図は同じだ。虐殺を目撃した母親から証言を聞かされたある同胞は「事件から85年が過ぎた今も、朝鮮人蔑視の情況は変わっていない」と語った。デマと差別の連鎖を断ち切るため、まずは日本政府が手本となり、対朝鮮外交、在日朝鮮人政策を見直し、友好へと舵を切らなければならない。(天)

[朝鮮新報 2009.2.17]