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春・夏・秋・冬

 いまさらと思うが、この日本という国に住みながら常日頃感じるのは、なぜ常識が通じないのかという点だ。だから勢い、敵を作りながら、その緊張感の中で自己を正当化しようとする。その論理が唯一、正しくて、客観によって主観を検討、確認するという本来、存在しなければならない思考は働かない。その結果、政治も経済も社会そのものも破綻に直面しているといっても過言ではない

▼朝鮮が国際社会に表明し、その準備を進めている実験衛星の打ち上げについて、日本の防衛大臣は例え人工衛星であっても「ミサイル防衛システム」で迎撃すると表明した。首相も「(迎撃は可能だ)自衛隊法上対応ができる」と明言した

▼一方米国はといえば、人工衛星も弾道ミサイルも同じだという暴論の本質に差違はないが、「大統領は何の決断もしていないし、私も大統領に進言していない」(統合参謀本部議長)

▼それにしても防衛大臣、そして首相両者ともに、人工衛星に対する迎撃という名の軍事攻撃が何を意味するのか、当然理解しての事だろう。戦争を仕掛けるものであり、宣戦布告なき「第二の真珠湾攻撃」をするつもりなのだ。平和に対する脅威だとかを云々し、戦争を公然と口にするこの論理矛盾、まさに常識外の思考だ

▼訪中しているボスワース米朝鮮政策特別代表は、この件に関して中国、ロシアと米国との間の認識に差がある事を示唆した。もう一度、指摘しておきたいが、宇宙空間の探査と利用はすべての国がその利益のために自由に行う事ができる(宇宙条約第1条)のだ。(彦)

[朝鮮新報 2009.3.6]