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春・夏・秋・冬

 「あれ、ミサイルというのは本当なんですか。朝から晩まで一日中、北朝鮮ミサイルが飛んでくるという話ばかり。迎撃ミサイルを配置したとか避難訓練だとか、これはもう戦争なんじゃないですか。そのわりには、花見客がついでに市ヶ谷に配置されたミサイルを見物に出掛けたり、おかしいですよね」

▼友人たちと花見に出かけた折、隣に陣取っていた30代初と思しきグループの1人の言葉。朝鮮の人工衛星発射問題など、日本当局の「愚策」を論じていたわれわれの話が偶然、耳に入ったのか、酒の勢いも手伝って「ちょっといいですか」と話しに割り込んできた。聞けば左官の仕事をしているという

▼公立高校に入学したものの受験一辺倒の授業に、「ここは居場所ではない」と数日で中退。両親の、せめて高校は出てほしいという願いに、私立高校に転入しサッカーに明け暮れたという。「安英学とか鄭大世とか、Jリーグなどで活躍している朝鮮学校出身者は多いですよね。ごく普通にファンに愛され、身近な存在」

▼この若者の言葉で、日本市民の意識を全て代表させるつもりは毛頭ない。しかし、日本当局・マスコミ一体となった「大本営報道」にも関わらず、そうした普通の考えを持っている市民たちが存在しているのも事実だ

▼この若者はこうも言った。「政治は国民のためにあるものだが、日本ではその国民という二文字に実は、政治家自身の意思が国民の意思だと偽装されて込められているのではないか」と。これ以上の政治不信はない。他国の事をガス抜きの材料にすべきではない。(彦)

[朝鮮新報 2009.4.10]