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春・夏・秋・冬

 朝鮮の人工衛星発射を口実に、日本で軍備拡張への流れが一気に加速している。7日に行われた自民党役員連絡会では、「日本も核保有を準備すると言わなかったら、北朝鮮の核保有をやめさせられない」(坂本剛二組織本部長)との認識が示された。同党内ではすでに、朝鮮のミサイル基地を先制攻撃する「敵基地攻撃」の検討を求める意見も出ている

▼安倍元首相は同日のテレビで、日本の核武装について「核の危険が近くにあるわけだから、核戦術についての議論はありうる」と発言。中川前財務相も5日、「発射基地への打撃やシェルターの問題を議論すべきだ」と語った。内容が重大なだけに、政権を投げ出した元首相と痴態によって職を追われた閣僚のたわごとの一言では片付けられない

▼「米国は日本を守るが日本は米国本土を守らない。これでは不公平だ」との論理で、集団的自衛権に関する議論が公然と行われるようになった。PKOに始まりソマリア沖での「海賊からの船舶護衛」−自衛隊の海外派兵はもはや「既成事実」としてなし崩し的に常態化している

▼こうした軍備拡張路線を「北朝鮮脅威論」を振りかざして煽り立てているのがメディアだ。当然のことながら、日本の動きを警戒する東アジア諸国の声はもちろん、日本国内での意見を大きく取り上げることはない

▼「かつての関東軍のように、非常に強がる意見が跋扈している。冷静沈着に議論すべきだ」(山崎拓・自民党外交調査会長)という警鐘を、果たしてどれだけの人が真剣に受け止めているのだろう。(国)

[朝鮮新報 2009.4.16]