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ここ2、3年、季節の移ろい、草花や生き物に耳目が向くようになった。自然環境に恵まれたところに住んでいるせいもあるだろうが、とくにこの季節は家の周りを見ていて飽きることがない ▼まだ寒かった2月頃、花満開だった梅の木には、すでに実がなりつつある。2週間ほど前までは、申し訳なさそうに頭だけ出していたタケノコは、今では背丈を越えるほどに成長した。春の陽気に誘われるように姿を現したウグイスは、誇るかのように美声を競い合い、名前もわからない小鳥も春を謳歌するかのようにさえずっている ▼新聞や雑誌、インターネットなど活字があふれる中で仕事をしているせいかもしれないが、たまの休日に自然の中にどっぷりとつかっていると心身ともに「フォーマット」されて、「来週もがんばろう」という気持ちが湧いてくる。ましてや、「北朝鮮バッシング」一色のメディアに一日だけでも接しないという意味においても、「リフレッシュ効果」はかなり期待できる ▼ここ数年、祖国を訪問する機会に恵まれていないが、平壌でもこの時期は暖かい陽気の中、さまざまな花が咲き乱れとても過ごしやすい。遊園地などでは職場の仲間同士が集まって花見をやっていたり、家族や親せきがピクニックに来ていたりする。また、結婚式もこの時期が一番多く、市内のあちこちで記念撮影をする新婚夫婦を見かける ▼平壌であれ日本であれ、旧知はもちろん、多くの朝・日の人たちが、今の厳しい朝・日関係を笑いながら振り返られる日が一日も早く来ることを願ってやまない。(国) [朝鮮新報 2009.4.28] |