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春・夏・秋・冬

 麻生首相は昨年9月の就任後、わずか半年余の間に中国、南朝鮮首脳と複数回の会談を持った事実を挙げ、大きな成果だと胸を張っている。そしてそのたびに朝鮮の核、人工衛星発射問題、6者会談開催に言及し、「同盟」「戦略的互恵」関係の強化を口にする。しかし、内実を見ていると日本からの一方的なラブコールに過ぎず、逆に日本に対する風当たりは非常に強い

▼4月29日からの麻生訪中に先立つ27日、中国との間で「事件」が起きた。中曽根外相が「中国は核兵器削減に取り組んでいない」と批判したのだ。中国外交部は翌日、すぐさま報道官を通じて「理不尽な非難」「根拠がない」と反駁した

▼中国にすれば、そんな発言は十数倍もの核弾頭を保有する米国に向けるべきもので、はなはだ心外だと言いたかったと思う。さらには、酔っ払い記者会見という醜態をさらした中川前財務大臣らの「核武装」発言。それこそを槍玉に挙げるべきだろう

▼訪朝の帰途、ソウルに立ち寄ったロシア外相は6者会談に触れながら「9.19共同声明に出ている義務を、全関係国が履行しなければならない」「理由をつけて、自らの義務を避けてはならない」(4月24日)と釘を刺した。むろん日本を念頭に置いての発言。さらには、前述中川発言などを前提に「そのようにして問題は解決できない」と辛辣な批判を加えた

▼そういえば、不当な国連安保理「議長声明」もわざわざ「9月19日の共同声明及びその後のコンセンサスが得られた文書を完全に実施する」よう言及した。実施していないのは日本だけだ。(彦)

[朝鮮新報 2009.5.9]