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春・夏・秋・冬

 中国・四川大地震の発生から1年が経った。日本の新聞やテレビは、復興が進む一方で、被災民の生活が改善されていないと強調しながら、中国の体制批判へと論理をすり替えている。とりわけ、学校校舎の手抜き工事により、多くの子どもが犠牲となったことを取り上げながら、中国当局の対応を非難している

▼テレビにいたってはもっとひどい。ある民放のニュース番組は、中国のメディアが復興のプラス面だけを報じ、原状回復のままならない市民の姿は報じていない、その一方で貧富の格差の拡大により各地で起きている暴動などについてもいっさい報道していない、などと主張した

▼3年間に二度の大地震に見舞われ、今も仮設住宅で暮らしている新潟県中越地方の人々の現在の暮らしぶりや、貧富の格差や当局の横暴に抗って示威活動を行った大阪・西成地域の労働者たちのたたかいも取り上げなかったメディアが、よくも言えたものだと呆れかえってしまう

▼朝鮮での「人権状況」に関する国連人権委員会の動きについては大々的に報道する一方、これまで数度にわたって出された「従軍慰安婦」や強制連行などについての勧告については「見ざる、言わざる、聞かざる」を貫き通す。日本のメディアが掲げている「不偏不党」「公明正大」とははたして何なのか

▼朝鮮の人工衛星発射について唯一「長距離弾道ミサイル」と断定し、それを口実に軍備拡張ひいては核武装までを目論む政界の保守勢力と一緒になって、世論をミスリードし続ける日本のメディアには、すでに自浄能力はない。(国)

[朝鮮新報 2009.5.13]