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春・夏・秋・冬

 日本メディアは「新型インフルエンザ」という呼称を用いている。だが、次に新型が現れたら何と名付けるのだろうか。「豚インフルエンザ」だと豚肉業者などへの風評被害があるというが…

▼海外では「メキシコ・インフルエンザ」という呼称もあったが、発生源をめぐる中国との応酬やメキシコ人への人権侵害が起きたことで改められた。結局、「A/H1N1 flu」などの表現に落ち着いた

▼世界のメディアは感染源や感染拡大をめぐるニュースを連日、報じたが、すぐにワクチン製造の問題など巨視的な対策についての報道に重点をシフトした。一方、日本では連日、トップニュースで新しい感染者情報が報じられた。感染拡大が早かったことも一因だが、報道が過熱したことも事実だ。日本では、一つの事件が起こるとそれに関する報道一色となり、一度方向が決まると歯止めがかからなくなる

▼神戸ではマスクを付けていない人の方がむしろ目立っていた。マスク不足に陥ったことで、歪な形の高機能マスクやタオルを切っただけの即席マスクなど、見慣れない光景が広がった。電車内や食堂で咳き込むと周囲の鋭い視線が集まる。周囲に安心感を与えるためにマスクを着用しなければならない状況だ

▼近畿地方では、商店や観光施設などの売り上げ低下による経済損失が深刻だ。こうしたパニック的な状況を伝える海外メディアは「japan flu」と表現している。首都圏でも感染者が見つかったと報じられたが、パニックにならないか心配だ。一日も早く「日本インフルエンザ」が収束することを願う。(天)

[朝鮮新報 2009.5.26]