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春・夏・秋・冬

 現在、衆議院法務委員会で論議されている新在留管理制度関連法案。「在日外国人の便宜を図る」と言われているが、内容を見ると、とてもそのような代物ではない

▼敗戦後、日本は一貫して在日朝鮮人を排斥と管理の対象とみなしてきた。最近では、日系ブラジル人や中国人など多くの外国人が日本に滞在するようになり、彼らも管理の対象になっている。当局の政策と軌を一にして、メディアもここ数年、「外国人による凶悪犯罪」を喧伝。外国人排斥の雰囲気を社会的にかもし出すのに一役買っている

▼今回の関連法案の一番の問題点は、在日朝鮮人の処遇において改善される点がないことだ。そればかりか、歴史的経緯が同じであるのに、当局により便宜上分けられた「特別永住者」と「一般永住者」に待遇の違いが生じることだ。朝鮮籍に対する差別的な処遇も相変わらず残っている

▼朝鮮の人工衛星発射を口実に、日本当局は「制裁」の延長と追加を決定した。そのために、祖国の親せきに会えない同胞高齢者や修学旅行で不便を感じている生徒たちがいるが、日本のメディアは伝えない。拉致関連であれほど声高に叫ぶ「人権」とは果たして何なのか

▼先日行われた在留管理制度関連法案に関するシンポジウムで、「在日朝鮮人に対する差別が少しずつではあるがなくなっていることを、日本社会の明るい未来を示唆するものと捉えたい」との発言もあった。在日同胞を取り巻く情勢はいつになく厳しいが、歴史が物語るように、在日同胞の権利は、ねばり強いたたかいを通じてしか得られない。(国)

[朝鮮新報 2009.5.29]