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春・夏・秋・冬

 今日は、6.15共同宣言の発表から9年に当たる。北南の最高首脳が初めて公式に会い「わが民族同士」を確認し、国の分断に終止符を打って統一への道筋を明らかにした同宣言はそれこそ歴史的なものであり、今もまったく色あせていない

▼しかし、李明博政権の登場によってその歴史的かつ民族的な重み、意義は南朝鮮社会において一方的に貶められ排除されつつある。「わが民族同士」を主張することは弾圧の対象にすらなってしまっている。時間が一気に2000年以前に引き戻された感がある

▼金大中大統領から引き継いだ盧武鉉大統領は、周知のように金正日総書記の招きによって訪北し、10.4宣言に応じた。その同大統領は退陣後、李政権をバックにした検察の執拗な不正献金疑惑捜査を受け、先月、自殺に追い込まれた。6.15から10.4宣言に至る路程、一つになろうとする民族の強い意思そのものを葬り去ろうとする、李政権の反民族的な所作がもたらしたものである

▼「盧大統領がもっとも嫌った政治家は初代大統領の李承晩だった。彼は親米従属の『極致』。その系譜につらなり、軍事独裁政治を恣にした朴正煕らも軽蔑した。民族の主権を放棄して何の政治か、と手厳しかった。だから、米国に物言うべき時はためらいなく口にした」とは、ワシントン、ソウル、東京を巡る南朝鮮研究者の述懐である

▼反米自主を実践するのは容易いことではない。軍事的脅威、制裁を覚悟しなければならない。幾多の元首たちは殺されもした。しかし、それを貫かねば主権の安泰はない。(彦)

[朝鮮新報 2009.6.12]