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春・夏・秋・冬

 「過去の枠組みでは成果は期待できない」「北が核をあきらめないならどんな措置をとるべきか、5者が相談しなければならない」。李明博大統領は12日、ウォールストリート・ジャーナルとの会見でこのように述べた。あたかも、これまで朝鮮半島非核化のために尽力してきたかのような発言に呆然とする

▼15日には訪米して国防総省長官や国務省長官と会談。朝鮮を除く5者の協力を強化するべきだと主張した。そのうえで、「誤った行動に対し、補償を与えて対話に戻すというこれまでのやり方は通用しない」などと怪気炎を吐いた

▼就任直後から6.15、10.4を否定し、北への強硬姿勢を貫いてきた李明博大統領。5月26日には、宣戦布告と見なすという北の警告を無視し、大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)への全面参加を発表した

▼その一方で、南朝鮮内では6.15の精神を尊重し北との和解を求め、民主化を求める市民団体を弾圧。こうした動きに反対して、市民らは6月10日、「独裁打倒」「民主主義回復」を掲げ「第2の6月抗争」へと立ち上がるなど、反李明博政権の機運は日々高まっている。李明博大統領の今回の「行脚」には、こうした国内の反発を押さえ込み、自らの地盤を固めようという意図があることは明らかだ

▼対北対決姿勢に一貫した南朝鮮の歴代軍事政権の末路を知っていながら、李明博大統領はなぜ同じ轍を踏もうとしているのか。見方を変えれば、もうそれしか方法が残っていないということであり、李明博大統領に未来がないと見ることもできる。(国)

[朝鮮新報 2009.6.17]