top_rogo.gif (16396 bytes)

春・夏・秋・冬

 4、5月に行われた朝鮮の人工衛星打ち上げ、2回目の地下核実験などを米国のマスコミ、識者たちはどう見ているのか。この間、限られた範囲ではあるがざっと雑誌などを繰ってみた。大統領や国務長官などの激しい言辞、実際に国連安保理での制裁に動いたが、そうした政府の反応とは裏腹に、いたって現実的な見解が支配的なのには驚いた

▼その中の一つは「じたばたするな」と指摘する。米国はこれまで単独で1030回の核実験を行った。朝鮮は2回のみ。これで何か「新しい事がわかるのか」と問う。だから最善の対応は「冷静にしていること」「良い対応策がない以上、今後も(核保有能力を)容認し続ける」他はないと結論付けている(ウォルト・ハーバード大学教授)。つまり、朝鮮を核保有国として認めない以上、「良い対応策は生まれない」と暗にオバマ政権を批判しているのだ

▼もう一つも根っ子は同じような見解だが、現政権の強硬な対応は結局、大統領自身が転換を目指したはずの「アメとムチ作戦の繰り返しになる」(ブロス・ライス前国務長官政策顧問)

▼こうして見てくると、立地の定まらないオバマ政権とダンスを踊りいい気になっている日本や南朝鮮はピエロの存在だ。無知の裏返しともいえる

▼李明博大統領は5者会談なるものに言及したが、朝鮮半島核問題の一方の当事者である朝鮮を外した場で核問題を論議しようとするなど、この人物の思考回路は当初から指摘されてきたように、政治家のそれではない。行き着く先が緊張激化であることをわかっていないのだから。(彦)

[朝鮮新報 2009.6.26]