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春・夏・秋・冬

 イタリア・ラクイラで8日から始まった主要国首脳会議(サミット)。4月に発生した地震の被災地での初めての開催ということや、「核兵器のない世界の実現」「温室効果ガスの削減」など取り上げるテーマもあって、日本のメディアは大きく取り上げている

▼開催前の報道では、被災地の住民の暮らしや復興状況などを報じているが、3カ月経った現在も復興は一向に進んでいない。中国・四川大地震と同様の状況だが、なぜか政府に対する住民の不満の声などはまったく取り上げられていない。耐震基準に問題があることも取り上げてはいたが、「イタリアにはそのような意識がない」という現地の専門家のコメントを紹介するだけで、やはり政府への批判などはまったく見られない

▼その一方で、中国・ウイグル自治区で発生した「暴動」について報じる際には、やはり中国政府に対する批判の声を紹介している。中国外務省の報道官が7日の定例記者会見で指摘するまでもないが、どんな国であれ暴力犯罪を取り締まることは正当な行為である

▼このように、中国に対しては何かと厳しい日本のメディアも、中国が朝鮮に対して注文を付けた際にはこぞって「友好国である中国が」という枕詞つきで特筆する。こうして自分たちに都合のいいニュースばかりを取り上げ、世論をミスリードしていくのがお決まりのスタイルとなりつつある

▼情報を恣意的に操作しても、国際情勢が変わるわけではない。誤った認識を社会に与えることで、果たして何を得ようとしているのか、はなはだ疑問だ。(国)

[朝鮮新報 2009.7.8]