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春・夏・秋・冬

 「核なき世界」の実現を高らかに宣言したオバマ米大統領のプラハ演説(4月)は、世界最大の核保有国からのアプローチだっただけに、驚きを持って受け止められた。その中には、軍需産業が国家を牛耳ってきた米国だけに、いくら最高権力者の大統領とはいえ、そこまで踏み込んだ表明をして大丈夫なのかという老婆心、結局は米国の一極支配体制の道具に使われるのではないかという懐疑心が含まれている

▼6日、就任後初めてロシアを訪れた同大統領はメドベージェフ大統領との首脳会談で、双方の核弾頭を最低1500発に削減することなどで合意。今年12月に期限が切れる第一次戦略兵器削減条約の後継条約で締結することを確認し合った。「核なき世界」へ一歩を踏み出したと評価する向きもあれば、朝鮮やイランの核開発に対する米ロ両核大国の共同歩調の可能性を示唆する向きもある

▼米国が配備している戦略核兵器は2007年の段階で4663発、ロシアは3340発だ(米国科学者連合)。この数字からすると米国の場合、3分の1水準に減らすということになるので、真剣なのだと思いかねない。しかし、米ロに続くフランスが348発、中国に至っては145発ということを考えれば、数字のトリックに気づく

▼それよりも考えなければならないのは、核削減の一方で核脅威の解消という現実的な問題には何も言及されていない点だ。核の不使用を前提にした核削減なら「核なき世界」の実現も可能だろうが、米国の核脅威にさらされている朝鮮には、空言にしか聞こえない。(彦)

[朝鮮新報 2009.7.10]